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パウエル次期FRB議長:米労働市場にさらなる増強の余地

更新日時
  • 12月FOMC会合での利上げの論拠は強まりつつある-パウエル氏
  • 米経済は緩やかな利上げに十分対応可能、失業率は4%割れも
パウエル次期FRB議長

パウエル次期FRB議長

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
パウエル次期FRB議長
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に指名されているパウエル理事は28日、米労働市場に関して、インフレ懸念を喚起することなく一段と力強さを増すことが可能だとするハト派的な見解を示した。

  パウエル理事は上院銀行委員会での指名承認公聴会で、現在の失業率4.1%は多くの人が完全雇用と見なす水準と一致するかそれを下回ると述べた上で、過去と比較して低水準にある労働参加率などの指標はスラック(たるみ)が残っていることを示唆していると指摘した。

  同理事はリード議員(民主)の質問に答え、「景気の過熱感とか、労働市場の強いひっ迫感はない」と発言。「さらなるスラック、すなわち労働市場に復帰可能なより多くの人たちがいる。失業率が4%を下回ろうとしている経済をわれわれは目にしていると私は考える」と説明した。

  パウエル理事のこの発言は、労働市場に復帰し得る潜在労働者が依然一定数存在しており、このため米金融当局には緩やかな利上げのアプローチを継続する余地があるとするイエレンFRB議長の見解との一致を示唆する。

  その上で同理事は、労働供給源が依然残っていることは緩やかな賃金上昇と、特に労働年齢の男性の労働参加率の低さによっても裏付けられ、同時に米経済には緩やかな利上げペースに対応するだけの力強さがあると述べた。

  パウエル理事はヘラー議員(共和)の質問に対し、「次回会合での利上げの論拠は強まりつつあると思う」とし、「経済情勢がそれを裏付けている」と説明した。FRBは12月12-13日に今年最後となる連邦公開市場委員会(FOMC)会合を開催する。

  ソシエテ・ジェネラルの米国担当シニアエコノミスト、オメイア・シャリフ氏は、イエレン議長と比べてパウエル氏は「一段とデータ次第の姿勢と見受けられる」と指摘。「パウエル氏は『インフレ目標に向かっていることを示す証拠が出るまで待つ』という陣営に属すると考えられる」と指摘した。

  一方、金融規制の問題を巡ってパウエル理事は、自身の考えを「規制緩和」と呼ぶつもりはなく、2008年の金融危機以降に導入された規則を見直して書き換え、一段と効率的なものとする取り組みと捉えていると証言。ウォーレン議員(民主)に対し、現行規制は「十分に厳しい」と話した。

  同理事はさらに、経営破綻に陥った金融機関を破産手続きを通じることなく解体させる金融規制改革法(ドッド・フランク法)の権限を規制当局が保持する限り、もはやいかなる大手銀行も「大き過ぎてつぶせない」とは自分は考えないと語った。破産裁判所での手続きの方が望ましい選択肢と想定されるが、「極めてストレスに富んだ状況」では、破産裁判所には手に負えない恐れがあるとの考えを示した。
 
原題:Fed’s Powell Willing to Let U.S. Labor Market Heat Up Further(抜粋)

(コメントなどを追加し、更新します.)
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