コンテンツにスキップする

平均年齢29歳のテンセント、広告でも躍進狙う-ユーザーデータが強み

  • 社内競争の企業文化から部門間の協調重視へ
  • 利用者を確実によく理解するよう急ぐ-広告責任者の劉勝義氏

テンセント・ホールディングス(騰訊)の時価総額が5000億ドル(約56兆円)に達し、同社は中国最大の企業となった。アイデアを競い合う厳しい社内の部門間競争で成長してきたテンセントだが、米フェイスブックのような広告界の巨人となろうと部門を仕切る障壁を取り除き始めている。

  正確で効果的な広告を提供するために、ゲームや動画ストリーミング、ファイナンスなどの主要7部門がデータの同期と10億人を超える利用者の分析に取り組んでいると、この責務を担う劉勝義氏は話す。

relates to 平均年齢29歳のテンセント、広告でも躍進狙う-ユーザーデータが強み

劉勝義氏

出典:Ruder Finn Asia Ltd

  テンセントが頼みとするのはユーザーデータだ。利用者がどんな音楽を聴き、どんなニュースを読み、どこへ出かけるかを解析することで的を絞った広告を展開し、3500億元(約5兆9000億円)規模に上る中国オンライン広告市場でシェア拡大を目指す。

  「王者栄燿」などのゲームや「微信」と「QQ」というソーシャルメディアでの成功は、テンセントが広告に頼る必要がなかったことを意味する。フェイスブックでは広告は全収入の97%を占めるが、テンセントは17%にすぎない。

  新設の広告責任者に3月に就任した劉氏は「われわれの中核となるDNAが社内競争だということは外部に知られているが、そうした競争は健全である必要がある。部門ごとに異なる仕事のやり方を解消し、チームごとの強みを統合することに多くの時間を費やしている」と語る。米ラトガース大学を卒業した劉氏は、2006年にテンセントに入社した。

広告収入増に向けて企業文化の見直しを目指すテンセントについてブルームバーグのルル・チェン記者が解説

(出所:Bloomberg)

  中国のデジタル広告市場で現在、優位に立つのはアリババ・グループ・ホールディングだ。だがソーシャルメディアを活用したマーケティングがテンセントの将来的成長の一端を担うとの投資家の期待から、テンセントの株価は今年2倍以上に上昇。同社はフェイスブックを抜き時価総額で世界5位の企業となった。

Global Ad Titans

  調査会社eマーケッターによれば、テンセントの広告収入は19年までに114億ドルと倍以上に達する可能性があり、中国デジタル広告市場におけるシェアを約9%から15%に高める見込みだ。JPモルガン・チェースの香港在勤アナリスト、アレックス・ヤオ氏は「テンセントにはフェイスブックより豊富なユーザーデータがある」と指摘する。

劉氏がデジタル化と世界経済について話す

  テンセントは、自然言語処理と画像認識、ユーザー行動予測を中心に人工知能(AI)分野で成長するためコンピューターサイエンティスト250人余りから成るチームも編成。人材採用のペースも急速で、従業員の平均年齢は29歳だ。それがチームのあり方を一段と重視している理由でもある。

  「ソーシャル広告の役割は高まり得る。中国においてわれわれがこうした分野でのある種のパイオニアだ」と言う劉氏は、「不要な情報」を過度に利用者に提供したくないとも話す。「急がないというのではない。利用者を確実によく理解しようと急いでいるのだ」と語った。

原題:Why Tencent Wants to Be More Like Facebook in Advertising (1)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE