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三菱マ:社債95円に下落、展開次第で格下げも-データ改ざん

訂正済み
  • 「神戸製鋼所の事例と問題の性質が似ている」と大和証の大橋氏
  • 影響見積もりは難しく、即座に格付け見直す必要はない-R&I
Akira Takeuchi, president of Mitsubishi Materials Corp.

Akira Takeuchi, president of Mitsubishi Materials Corp.

Photogarpher: Akio Kon/Bloomberg
Akira Takeuchi, president of Mitsubishi Materials Corp.
Photogarpher: Akio Kon/Bloomberg

品質データの改ざんが発覚した三菱マテリアルの社債価格が急落し、額面を大きく割り込んでいる。同様の問題を引き起こした神戸製鋼所と同じ相場展開をたどっており、安全性の問題や補償リスクなどが発生しないか今後の動向次第では格下げの可能性もあるとの見方が出ている。

  ブルームバーグのデータによると、三菱マの社債(2022年8月償還)は、品質データの改ざんを発表した翌日の24日、95.11円と前営業日の100.01円から下落。対国債スプレッドは24日、135ベーシスポイント(bp)と、前営業日の29bpから4.7倍に拡大した。

  三菱マは23日、子会社の三菱電線工業と三菱伸銅が検査記録データを書き換えて不適合品を出荷していたと発表。不適合品の出荷先は、三菱電線が229社、三菱伸銅が29社としており、不正の組織的な関与の有無については、社外弁護士を交えた調査委員会で調査中だとしている。

  大和証券の大橋俊安チーフクレジットアナリストは、三菱マ子会社の問題に関して「神戸製鋼所の事例と問題の性質が似ている」と27日付のリポートで指摘。既に調査委で事実解明が行われ、顧客との安全性に疑義が生じる事案は確認されていないもようだとしながらも、「米国を含む海外勢の動向に留意が必要だ」との見方を示した。

  みずほ証券の大橋英敏チーフクレジットストラテジストは、データ問題が三菱マの信用力に与える影響はまだわからないものの、今後の展開次第では格下げに至る「可能性はゼロではない」と述べた。また、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資が重視されているなかで「コンプライアンス違反を起こした会社の社債を保有して良いのかという議論がある」ことが社債価格下落の要因になっているとの見方を示した。

三菱マ債がデータ問題で下落

格付け会社の反応

  三菱マは、日本格付研究所(JCR)と格付投資情報センター(R&I)の両社から「A-」の格付けを取得している。

  R&I主任格付アナリストの鈴木俊行氏は、電話取材に対し「非常に大きな問題であると認識はしている」としながらも、「その影響を金額的に見積もるのは現時点では非常に難しい」と説明。問題発覚により即座に格付けを見直さなければならない状況ではないが、「今後の動向次第では検討も必要になるケースもあると思われる」と述べた。

  JCRの水川雅義チーフアナリストも、業績予想の大幅な下方修正があったり、データ改ざんが思った以上に悪質なものだと発覚すれば格下げを検討する可能性があるとしたものの、「今の情報であれば、すぐに格下げというのは検討していない」と語った。

  神戸製鋼所の場合は、データ改ざんが見つかった10月上旬に社債価格が急落したが、改ざん製品の8割で安全確認されたとの発表後は相場はやや戻している。

(第7段落の「鈴木俊之氏」を「鈴木俊行氏」に訂正します.)
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