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「フラジャイル・ファイブ」は脆弱でない、ゴールドマンら逆張り投資

  • S&Pはトルコ、アルゼンチン、エジプトなど5カ国について命名
  • 衝撃への対応力は現在かなり改善とゴールドマンやJPモルガン
Turkey Lifts Bank-Funding Cost As Lira Drops To All Time Low 
Photographer: Kostas Tsironis/Bloomberg
Turkey Lifts Bank-Funding Cost As Lira Drops To All Time Low 
Photographer: Kostas Tsironis/Bloomberg

いわゆるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)とPIGS(ポルトガル、アイルランド、ギリシャ、 スペイン)で、ウォール街は判断を誤った。比較的新しく命名された「フラジャイル・ファイブ」についても、実際のところ脆弱(ぜいじゃく)ではないと世界有数の運用担当者が指摘する。

  S&Pグローバル・レーティングは今月初め、世界の金融環境正常化に影響されやすい国としてトルコ、アルゼンチン、パキスタン、エジプト、カタールから成る新たなフラジャイル・ファイブを発表した。だが、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント、Tロウ・プライス・グループ、ブラックロックなどはこれらの国の債券に投資している。

  ゴールドマン新興市場債券チームの約450億ドル(約5兆円)の運用に携わるアンガス・ベル氏は「衝撃への国の対応能力は現在、過去数年のどの時期よりも間違いなくあるだろう」との見方を示した。同氏はアルゼンチンとトルコのハードカレンシー(国際決済通貨)建て債券、エジプトの自国通貨建て債券をオーバーウエートにしている。ルイス・オガネス氏率いるJPモルガン・チェースのアナリストも21日のリポートで、新興国は市場の動揺に2013年と比べ「はるかに影響されづらくなっている」と論じた。

  ゴールドマンのベル氏は、アルゼンチンとエジプトを筆頭にフラジャイル・ファイブの大半の国について長期的には好ましい方向に進むとみている。アルゼンチンは比較的低い債務水準やマクリ大統領の下で改革意欲が高まっていることを評価。エジプトは痛みを伴う経済的な調整を経たが、マクロ経済の安定回復が見込まれることを挙げた。1カ月物インプライドボラティリティー(IV)が示す投資家の不安感が新興国のうち過去3カ月で最も高まったトルコも、基礎的な債務の動向は「全く懸念でない」とベル氏は述べた。

  人々の関心を引きやすいキャッチコピーが、実際には当てにならなかった例は過去に少なくない。ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストだったジム・オニール氏が今後10年間の世界経済の成長をけん引していく存在として初めてBRICsを唱えたのは2001年。だが同年は新興国株式を売るべき時だった。PIGSが紹介された2010年にこれらの債券を買っておけば、かなりのリターンが生まれたはずだ。フラジャイル・ファイブをモルガン・スタンレーが2013年に初めて言いだした時も、正解は新興国資産の買いだった。

Not So 'Fragile'

原題:Goldman Says ‘Fragile Five’ a Misnomer as Catchphrases Burn (1)(抜粋)

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