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メルケル降ろしか、震える手で連立協議離脱-いつの間にか盟友が敵に

  • FDP代表が姿を見せた時点で、決裂の兆候が表れていたと関係者
  • FDP党首にメルケル降ろしの意向が疑われると緑の党の元閣僚
クリスティアン・リントナー党首

クリスティアン・リントナー党首

Photographer: Sean Gallup/Getty Images
クリスティアン・リントナー党首
Photographer: Sean Gallup/Getty Images

19日深夜から20日未明に日付が変わる5分前のベルリンでの出来事だった。ドイツのメルケル首相が主導する連立協議に臨んでいた自由民主党(FDP)のクリスティアン・リントナー党首の手は震えており、口をついて出たのは劇的な決断の発表だった。

  リントナー党首が薄氷を踏むような連立合意に加わらないと表明する数時間前の段階で、交渉の当事者は何が起きようとしているか気付いていた。複数の関係者が匿名を条件に語ったところでは、交渉の最終日に妥協の余地のない態度でFDPの代表が姿を見せ、他の党を失望させた時点で、その前兆が既に表れていたという。

  1カ月続いた連立協議が不調に終わった後、ドイツのシュタインマイヤー大統領は20日、交渉のテーブルに戻るよう各党に要請した。しかしメルケル首相は、安定多数を確保できないまま政権を発足させるよりも、再選挙を実施する方が望ましいとの考えを示した。

ブルームバーグのマット・ミラーがドイツの連立交渉についてリポート

(出所:Bloomberg)

  はっきりしたことが一つあるとすれば、過去10年余り続いた密室の駆け引きと3つの連立政権を通じて、欧州の実質的なリーダーであるメルケル首相は、外国で友人をつくる一方、国内で敵を増やしたという点だ。FDPもかつてメルケル氏の連立政権に加わった時期がある。

  ING-ディバのチーフエコノミスト、カールステン・ブルゼスキ氏は「12年の首相在任期間を経て、多くの政治的重荷と敵を抱えることになり、それがメルケル氏を脆弱(ぜいじゃく)にした。結束と安定を確保しようと何年も努力してきた結果、政治的なパートナーは痛みを伴う妥協を強いられた」と指摘した。

  一方、シュレーダー政権の元環境相で連立協議に参加したユルゲン・トリティン氏(緑の党)は「リントナー氏が今回の連立を望まなかったのは、メルケル氏を引きずり降ろしたいという理由もあったのではないか」と話している。

原題:Merkel’s Old Ally Turns Enemy to Upset Germany’s Political Order(抜粋)

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