AT&Tを米司法省が提訴-タイム・ワーナー買収阻止で

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  • 司法省は買収審査でターナー部門かディレクTVの売却を求めていた
  • 合併が実現すれば米消費者に多大な損害を与える-反トラスト局長

米司法省は20日、AT&Tによるタイム・ワーナー買収を阻止するため提訴した。通信・メディアの巨大企業を作り上げようとするAT&Tにとって大きな痛手となる。

  同省反トラスト局のメイカン・デルラヒム局長は「合併が実現すれば米消費者に多大な損害を与えるだろう。テレビの月額視聴料の上昇につながるほか、消費者が享受し始めている新しい革新的な選択肢が減ることになる」と述べた。

  トランプ政権下で主要企業の独占禁止を巡り当局が論争を法廷に持ち込むのは今回が初めて。コンテンツの提供会社と配信会社の垂直的統合を司法省はこれまで数十年にわたって承認してきただけに、AT&Tによるタイム・ワーナー買収はなぜ競争を阻害し阻止すべきなのかを判事が納得するように説明するのは困難になるとの見方もある。

  司法省当局者1人は、両社が競争を阻害しない案を提示すれば、提訴を取り下げる可能性もあると述べた。AT&Tは記者会見で、当局から承認を得るための解決策を提供するのに前向きではあるものの、タイム・ワーナー傘下のCNNを売却するつもりはないとして、法廷で争う姿勢を示した。タイム・ワーナーに取材を試みたが、コメントは得られていない。

  デルラヒム氏は司法省反トラスト局のトップに9月下旬に就任。その後に審査を引き継ぐまで、AT&Tのタイム・ワーナー買収計画は承認確保に向け順調に進んでいるように見えていた。双方は先週まで交渉を続けており、その中でデルラヒム局長は、ターナー部門やディレクTV部門の売却を求めたが、AT&Tは拒否していた。

  トランプ大統領はCNNを偽ニュースだと繰り返し非難、AT&Tのタイム・ワーナー買収計画にも批判的なため、今回の提訴の背景にホワイトハウスの影響力行使を指摘する向きもある。これについてサンダース報道官は20日、「ホワイトハウスが何らかの具体的行動を取ったとは承知していない」と述べた。

原題:AT&T Sued by U.S. Seeking to Block Merger With Time Warner (1) (抜粋)

(反トラスト局長の見解や背景を追加して更新します.)
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