東芝増資の引受リストに複数の「物言う株主」-再建関与に期待の声

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  • 6000億円の第三者割当増資を決議、エッフィッシモが筆頭株主に
  • 利益追求、V字回復期待か、経営陣に事業売却など提案も-秋野氏

Toshiba

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

東芝が主に海外投資家が出資する6000億円の第三者割当増資に踏み切る。これにより予定する半導体子会社の売却が年度内に完了できなくとも上場廃止は回避できる。引受先には経営を厳しく監視し改善要求を突きつける「アクティビスト(物言う株主)」が名を連ね、再建関与への期待感も浮上している。
  
  東芝の19日の発表によると、普通株を1株262.8円で23億株近く新たに発行。希薄化率は約54%に達する。60社に上る出資者リストには増資後に議決権の11.34%を握る旧村上ファンド出身者設立のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントサードポイントサーベラスグリーンライトなどアクティビストの名前がある。

  いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、海外ファンドやアクティビストが出資する目的について、「利益追求だ」と述べた。「東芝は巨大企業で、まだ切り売りできるところがたくさんあり、V字回復する可能性がある。そこに目を付けたのだろう」と指摘した。

  東芝は上場廃止回避策として、公募増資や優先の発行などさまざまな資金調達方法を検討してきたが、調達金額の確実性や調達の機動性などから、海外投資家への第三者割当増資という今回のスキームを採用した。2018年3月末で7500億円の債務超過と見込んでいた株主資本は今回の調達で約900億円のプラスに転じるとしている。

リストラ加速か

  東芝は今回の増資を受け「新生東芝」として社会インフラを核に、エネルギー、電子デバイス、デジタルソリューションの4つの事業領域に注力する方針だ。各事業領域で収益基盤を強化、安定的な成長の実現により毀損(きそん)した財務基盤の回復を目指す。

  いちよしアセットの秋野氏は、今後のアクティビストの動きについて、東芝の経営陣に対して事業売却の提案や、経営陣への提言などを行っていく可能性があると指摘。東芝のマネジメントとしても海外投資家などの「圧力を利用して、人員削減や資産売却を伴うリストラがやりやすくなるだろう」と見通した。

  増資発表を受けた20日の東芝株は売りが優勢。一時持ち直す場面もあったが、前週末比5.8 %安の275円で取引を終了した。東海東京調査センターの石野雅彦シニアアナリストは、希薄化は大きいが、債務超過解消、自己資本増強などが先行的に評価される可能性はあるなどと指摘。発行価格の262.8円で収れんしやすい構造だと分析している。

LNG事業のリスク

  調達資金は巨額損失を計上して破綻した米原発事業に関する親会社保証の早期弁済などに充てる予定。18年3月までに弁済を完了できれば、法人税の負担軽減により少なくとも2400億円の株主資本の増額効果があるという。東芝の監査委員が必要性や相当性を認めたため、臨時株主総会を開く必要はないとしている。

  東芝は上場廃止基準である2年連続の債務超過を回避するため、来年3月末までに「東芝メモリ」を2兆円で米ベインキャピタルが主導する日米韓連合に売却することを9月に決定。しかし、関係国の独占禁止法当局の審査手続き次第で売却完了が遅れる可能性があった。今回の増資後も東芝メモリの売却手続きは進める。

  BNPパリバ証券の中空麻奈チーフクレジットアナリストは、年度内に東芝メモリ売却が完了できない可能性に対応した措置としてプラスに評価。ただ「いま増資するメリットが見えない」とも指摘した。中長期的には米液化天然ガス(LNG)事業で抱える最大約1兆円の損失発生リスクの顕在化懸念もあり「決して安泰ではない」と述べた。

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