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【日本株週間展望】小幅高、経済堅調と企業業績の上振れ期待

  • 米経済は指標が弱含んでも堅調、日本は貿易収支が5カ月連続黒字へ
  • システムトレードの裁定取引で上昇後急落も、値動き大きい相場続く

11月4週(20ー24日)の日本株相場は小幅な上昇が見込まれる。堅調な世界経済と企業業績の上振れ期待から海外投資家を中心とした買いが続く。一方、為替市場ではドル高・円安が進んでおらず、システムトレードの売りで不安定な値動きとなりそうだ。

  米国では、21日に10月の中古住宅販売とシカゴ連銀全米活動指数、22日に10月の耐久財受注、11月のミシガン大学消費者マインド指数(確報)、24日に11月のマークイット製造業PMIが公表される予定。市場予想は、中古住宅販売が前月比0.2%増(前回0.7%増)、耐久財受注は0.3%増(同2.0%増)と弱含み。急激に悪化しなければ世界経済をけん引する米国の堅調な景況は続くと受け止められ、相場を支える要因になりそうだ。23日は感謝祭で祝日となり金融市場は休場。

  国内では20日に10月の貿易収支が発表される。市場予想は3300億円の黒字(前回6702億円の黒字)で、5カ月連続の黒字が見込まれている。野村証券は供給が需要に追い付いていない新型スマートフォン用の部品が輸出を支えていると指摘。長いテーマとしては先進国の設備投資需要が旺盛になっており、これまで抑制されてきた更新需要が顕在化し、グローバル景気や日本の輸出の伸びを支えるとみる。

  小刻みな上昇の積み重ねで9日にことし高値を付けた日本株相場は、その後は値動きが大きくなっている。日経平均株価は9日の日中高値(2万3382円15銭)から16日の日中安値まで約1400円下落、1日の値幅が300円を超える日も相次いでいる。この間、ドル・円相場は1ドル=113円前後で大きな動きはない。「株高にドル・円が反応しないと、双方の乖離(かいり)から自動的にシステム取引の裁定が働き、急落しやすい」と大和総研経済調査部の小林俊介エコノミストは話し、今後もボラタイルな動きが上値を抑制するとみる。第3週の日経平均は週間で1.3%安の2万2396円80銭と10週ぶりに下落。

  • ≪市場関係者の見方≫

SMBC信託銀行投資調査部の佐溝将司マーケットアナリスト
  「世界的に堅調な経済が続き、企業業績見通しの再評価や日本株の割安感を背景に、上昇局面に乗り遅れた投資家の押し目買いが入る。米国の景気指標は弱含んでいるが、堅調な経済環境は続くため悪材料にはならない、最近は軟調な米国株も指標がしっかりすれば上昇基調に戻り、日本株にもプラスに働く。日経平均のPERは14倍台まで低下、アベノミクス開始から最近までの平均15.55倍と比較しても過熱感はない、年末にかけて日経平均2万3700円程度まで上値が期待できる」

大和総研経済調査部の小林俊介エコノミスト
  「これまでの連騰に乗り切れなかったニューマネーの流入が継続する一方、システム上のアービトラージ(裁定取引)も働きやすく、売り買いが交錯する。ニューマネーの大半は一周遅れの海外投資家、一部で売り方の買い戻しも入る。世界的に景気が底堅く、日本企業の業績好調でファンダメンタルズは依然強い。日経平均の予想PER14倍台は米国株と比較してもまだ割安。ただ、株価上昇局面でシステムトレードの自動裁定が入り、ボラタイルな動きが続くだろう」

セゾン投信の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャー
  「荒っぽい値動きが続き、日経平均は1週間で上下1500円程度動いてもおかしくない。海外投資家の見直し買いで上昇した日本株は、そもそもファンダメンタルズに変化はなく、さらに力強く上がるイメージはない。海外勢のリスク許容度が上がるイベントは見当たらない。米国の税制改革がまとまればプラスだが、既に株価に織り込んでいる部分も多い。国内の企業決算は現状確認でしかなく、業績改善が一段と進んだ感じはしなかった、海外投資家が日本株に対する見方を変え買ってきているなら別だが、逃げる時も速いだろう」

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