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短国買い入れオペ、想定外増額でも市場は金利下げ誘導ではないと分析

  • 短国買い入れ5000億円、前回まで2回連続最低1000億円から増額
  • 残高20兆円前半めどに近づける、大幅下振れ良くない-SMBC日興

日本銀行は17日午前の金融調節で、国庫短期証券の買い入れ額を前回の5倍に増やした。想定を上回る買い増しだったが、市場関係者からは短期金利の低下圧力を警戒する声は届いておらず、従来の運営方針を踏襲しているとみられている。

  日銀が午前10時10分に金融機関へ通知した短国買い入れオペの金額は5000億円。2日と10日の直近2回のオペでは1000億円と、2013年4月の異次元緩和導入以降では最低額の買い入れを実施していた。11月初めに起きた需給逼迫(ひっぱく)で、短国利回りがマイナス0.3%近くに低下したことが背景だ。

  日銀は10月末に公表したオペの運営方針で、前の月までの23兆~25兆円といったレンジの表示から、「おおむね20兆円台前半とすることをめど」へと表現を変更した。10月末の残高は23兆円程度だった。11月には4.8兆円弱の償還があり、めどとする水準を維持するには1.8兆円程度の購入が必要。この日のオペを含めて7000億円程度購入しており、20兆円台は残りの買い入れ額が1兆1000億円以上となれば維持できる計算だ。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、短国オペ増額について「20兆円めどに近づける」ためではないかと指摘。「先月にめどを出して、翌月すぐに下振れを許容するといわれるのを嫌がったのだろう」と述べた。

  このところの短期金利の低下の背景は、ベーシススワップ取引を通じて円を割安で調達できる海外勢などの買いが膨らんだことが一因とされている。9日に行われた短国3カ月物入札では平均落札利回りはマイナス0.278%と3月以来の低水準だった。16日の入札ではマイナス0.2382%とやや水準を切り上がった。

短国3カ月物入札結果はこちらをご覧下さい。

短国3カ月物入札の落札利回り推移

  セントラル短資の佐藤健司係長は、「前回と前々回は1000億円で量は重視しなくて、マイナス0.2%を下回っていた短国レートを受けて量を絞ったのかと思ったが、今回はいきなり5000億円とちょっとびっくりした」と指摘。「買い入れられる時に買うという感じにした。今までの方針とちょっと整合性が取れない気がする」と述べた。

1-3年オペは減額

  一方、日銀がこの日午前の金融調節で同時に実施した長期国債買い入れオペでは、残存期間1年超3年以下を前回より300億円少ない2500億円に減額した。残りの3年超5年以下、10年超25年以下、25年超の3本はいずれも据え置きだった。

  SMBC日興証の竹山氏は、「短国買い入れを増やすことによって2年金利とかまでに続くことを避ける、つまり金利を下げたいから買い入れを増やしたわけでないというアピールのために1年超3年以下を減らしたのではないか」とみている。  

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