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日本株続伸、米税制期待と世界的好業績-円高受け400円高から急失速

更新日時
  • 電機株、自社株買いの東京海上H高い、電力や通信、紙パは安い
  • トランプ米政権のロシア疑惑から円高進む、株価指数一時マイナス

17日の東京株式相場は続伸。米国の税制改革期待やグローバルで良好な企業業績を評価する買いが入った。電機や機械、商社株など景気敏感セクターが高く、売買代金上位では設備投資関連の安川電機が上昇。自社株買いの実施が好感された東京海上ホールディングスなど保険株も高い。

  半面、情報・通信や電気・ガス、パルプ・紙、陸運、不動産株といった内需セクターは下げ、株価指数の上値を抑制。米政権のロシア関連疑惑を巡り、為替が急速にドル安・円高に振れた影響もあり、午前に一時400円以上上げた日経平均株価はその後失速、午後にはマイナス圏に沈む場面もあった。

  TOPIXの終値は前日比2.05ポイント(0.1%)高の1763.76、日経平均株価は45円68銭(0.2%)高の2万2396円80銭。

  セゾン投信の瀬下哲雄運用部長は、「日本株は現在の利益水準からすると、割高感はない」とした半面、「ファンダメンタルズに注目する投資家は海外並みのバリュエーションまで上昇するとみる向きと、既に妥当な水準まで修正されたとみる向きが両極端で、張り合っている。当面荒っぽい動きが続く」との見方を示した。日本株は、海外に比べ最後に投資資金が向かった市場であり、「リスク選好が少しでも後退すると、巻き戻しが入りやすい」とも言う。

Tokyo Stock Exchange As Asian Stocks Rebound After Korean Fears Abate

東証内

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米連邦議会下院は16日、共和党がまとめた税制改革法案を賛成227、反対205で可決した。法人税や所得税の引き下げなどが盛り込まれた同法案は、向こう10年で財政赤字を1兆4000億ドル(約158兆2000億円)増加させると見込まれている。

  16日の米国株は法人税引き下げへの期待に加え、テクノロジー企業のシスコシステムズ、小売のウォルマート・ストアーズの決算も好感され、S&P500種株価指数の上げ幅は2カ月ぶりの大きさだった。

  大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、「税制改革法案の下院可決は予想されていたとはいえ、足元で米国株が調整していたことから、投資家心理の好転で買い戻しにつながりやすかった」と指摘。米法人税減税が実現すれば、企業業績の拡大を通じ米景気にプラスになり、その企業業績も「米国、日本とも事前予想を上回る流れ。日本株はPERに割高感がない中、1株利益はなお上昇傾向にある」との認識を示した。

  もっとも、日経平均は一時406円高と9日(468円)以来の上げ幅を記録したものの、午後には一時マイナス圏に沈むなど急失速。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、モラー特別検察官のチームがトランプ大統領陣営に召喚状を出したことが分かったと報道。アジア時間に米長期金利は低下、ドル・円も早朝の1ドル=113円付近から112円40銭までドル安・円高に振れ、業種別で輸送用機器は下落に転じた。

  証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は、「午前の上げもその後の下げも先物主導。一気に上がって一気に売られる感覚だ。先週からボラティリティーが上昇したことで、短期筋にとっては投資機会が高まっている」と言う。日本株が大幅上昇したことで、市場参加者の心理も強弱分かれており、「株価がどちらかに振れれば、それに連動する向きやロスカットも巻き込み、動きが大きくなりやすい」との見方を示している。

  東証1部33業種はゴム製品、金属製品、保険、空運、精密機器、石油・石炭製品、サービス、電機、卸売、機械など18業種が上昇。パルプ・紙や電気・ガス、海運、鉄鋼、不動産、陸運、情報・通信など15業種は下落。売買代金上位では、0月の工作機械受注額(確報値)の拡大を受け、安川電機や日本精工など設備投資関連株が堅調。ドイツのバイエル社と創薬の共同研究を行うぺプチドリーム、自社株買いを午後に発表した東京海上ホールディングスも高い。半面、NTTや神戸製鋼所、住友不動産、電通は安い。

  • 東証1部の売買高は19億8021万株、売買代金は3兆5245億円、代金は前日に比べ14%増えた
  • 値上がり銘柄数は1005、値下がりは950
    TOPIX(白)とドル・円(青)の推移
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