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米金融当局内部から政策枠組み見直しを呼び掛ける声-SF連銀総裁ら

  • 将来の景気悪化に備え、より多くの緩和余地の確保を目指す
  • FRB首脳の交代を控えていることも議論の好機と捉えられている

米金融当局者の一部から、金融政策を導く戦略の大幅見直しにつながるようなアイデアが打ち出されている。景気が安定し、連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめとする首脳の交代を控える今の機会を捉えて、将来の景気悪化に備えたい考えだ。

  米景気は史上3番目に長い拡大局面にあるが、インフレは加速の勢いを欠き、金利も引き続き低水準にある。こうした状況は、経済情勢の悪化に対応し再び利下げに転じた場合、ゼロ金利制約に直面するまであまり金融緩和の余地がないことを意味する。

  FRBの次期議長にパウエル理事が指名されたこの局面に当たり、連邦公開市場委員会(FOMC)の中でもサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁やシカゴ連銀のエバンス総裁といった影響力の大きい当局者が中心となり、2%のインフレ目標を再考するよう呼び掛けている。

Missing Target

  アトランタ連銀のボスティック総裁は14日、アラバマ州モンゴメリーで記者団に対し、「首脳陣の交代を踏まえれば好機だ。新たな顔触れの下で、どうすればうまくやれるかや、われわれがこれまでやろうとしてきたことや、これからやろうとしていることに合致するか熟慮できる」と語った。

  米金融当局が2012年に正式採用した2%のインフレ目標を巡り、ウィリアムズ総裁らが再考を唱えている背景には、金融危機以降のファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)の変化がある。12年当時、当局者は経済成長を妨げることなく政策金利を2%以上に引き上げることに何の問題もないと考えていた。

  だが、経済成長率と生産性上昇率は伸び悩んでいる。その結果、景気を刺激も抑制もしない中立金利は過去の基準からすれば非常に低い水準にあると推計されており、米金融当局の行動の余地が狭まっているのが現状だ。

Neutral Rate Decline

  現行よりもやや高めのインフレを容認すれば、将来の景気下降で金融当局に一段の緩和余地が生じる。主要政策金利のフェデラルファンド(FF)金利はインフレ調整のない名目値で示されるため、仮に中立金利が推計0.5%でインフレ率が3%だとすれば、金融当局が景気を抑制せずにFF金利の誘導目標を引き上げることができる水準は最大3.5%という計算となる。インフレ率が2%にとどまれば、誘導目標引き上げの上限は2.5%と低くなる。

  ウィリアムズ総裁は11月初めに記者団に対し、新たな政策枠組みについて今議論したいが、当面の戦略に結び付けることは望まないと説明。そうした重要な政策を巡る意見調整には「多少の時間がかかる」という理由から、「次のリセッション(景気後退)まで時間的余裕のある段階で、金融当局が用いるべき最善の枠組みが何かを決めておくことが最も望ましい」と語った。

原題:Fed Insiders Seek Radical Policy Review as Powell Era Dawns (2)(抜粋)

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