座間事件が政府とツイッターに突きつけた安全性の問題
小田翔子-
9人の被害者をハッシュタグでおびき寄せた容疑者
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非常に嘆かわしく、極めて悲しい事件-ドーシーCEO
神奈川県座間市で9人の切断遺体が見つかった事件。容疑者の男がツイッターを使って被害者をおびき寄せたとされることから、政府と同社はソーシャルメディアをめぐる安全性の確保について方策の検討を求められている。

逮捕された容疑者の男性
共同通信によると、警視庁が逮捕した27歳の男は、自殺願望のある人を狙ったハッシュタグを使うなどして誘導、9人を殺害したと供述している。
政府は10日、関係閣僚会議を開催。菅義偉官房長官は同日の記者会見で、「犯行の経緯を徹底的に明らかにし、政府全体で再発防止に努めていきたい」と述べ、年内に対策を取りまとめる考えを表明した。
ツイッターのジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)は、事件について「非常に嘆かわしく、極めて悲しいことだ」とNHKのインタビューで語った。自殺に関連した書き込みをすべて削除するのは現実的ではなく、利用者同士をつなげることで自殺防止を図りたいとの考えを示した。日本事業の広報担当者は、同社は頻繁に警察や他の機関と連絡を取り合い、安全性に関する議論を続けると語った。
東京大学大学院の林香里教授は再発防止策について、ソーシャルメディア各社の自主規制にも限界があり、政府が表現方法に関して「蛇口を絞る」のも「言論の自由にかかってしまうかもしれないので慎重な姿勢が必要」と指摘。ネットの使い方に関する教育など「賢いコントロールが必要」との考えを示した。