日本株の一斉売りはこれまでの急激過ぎる値上がりへの自然な反応という説もあるが、もう一つの説が浮上した。ヘッジファンドが関わっているというものだ。

  アセットマネジメントOneのシンガポール部門で最高投資責任者(CIO)を務める佐藤紀行氏は、今回の下落の一因はヘッジファンドなどが年末を控えて利益を確定しようとしているためだと考える。TOPIXは15日、ことし最長の5営業日続落を記録。8日には26年ぶり高値で終了していた。9日は高く始まったが、前日比マイナスで引けた。

  佐藤氏はシンガポールからの電話インタビューで、「ヘッジファンドの決算は11月が多い」と指摘。米感謝祭やクリスマスも近づいてポジションを閉じる投資家が多いため「市場はやはり流動性を失っていく」と説明した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長も同様の見方だ。日本株市場は短期の投資家の売りと長期投資家の買いの綱引きになっていると指摘。「先週の木曜日をピークにして、ヘッジファンド系の短期のマネーが利益確定売りを出してきている。一方で、ロングオンリーと言われる、海外の年金基金や投資信託はずっと日本株買い」を選好していると説明した。

  東京証券取引所は投資家の種類別の売買データを後日になって公表する。16日には10日までの5日間のデータが公表され、そこには下落した9日と10日が含まれる。

  藤戸氏は、多くの投資家やストラテジストと同様、今回の5日続落についてあまり懸念していない。バリュエーションが下がれば「今まで売り一辺倒だった個人投資家や国内の機関投資家が買いを検討してくる可能性は高いと思う」と同氏は述べ、「ある意味でヘルシーなコレクションだ」とコメントした。

原題:Hedge Funds Fingered as Sellers as Japanese Stock Rout Deepens(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE