比較的安価な指数追従型ファンドの隆盛に十分な対策を怠ってきた資産運用会社が、新たな脅威にさらされている。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがリポートで指摘した。今回攻撃を仕掛けてくるのは、ペイパル・ホールディングスアマゾン・ドット・コムなどのテクノロジー大手だ。

  シニアアナリストのスティーブン・トゥ氏は14日発行のリポートで、資産運用業界は「テクノロジーが可能にした新規参入者との競争に脆弱(ぜいじゃく)」であり、特に販売に関して弱さが目立つと指摘。比較的低い参入障壁と手数料競争によって従来の資産運用会社は不利な状況に置かれるとみる。

  従来の資産運用会社はより安価なパッシブファンドに加え、来年1月3日に導入される欧州連合(EU)の新規則、第2次金融商品市場指令(MiFID2)などに伴うコスト上昇で打撃を受けている。英保険会社スタンダード・ライフがアバディーン・アセット・マネジメントを買収し、合併によりジャナス・ヘンダーソン・グループが誕生するなど、複合的な脅威は既に業界再編を引き起こしている。

  ムーディーズはリポートで新たな脅威を提示。トゥ氏によると、ファンド商品の提供はペイパルなどデジタル決済を手掛ける企業に直接的な恩恵をもたらす。一方、アマゾンやアップルなどのテクノロジー大手は運用手数料を稼ぐためだけにこの業界に参入する公算は小さいものの、「データ収集を促し、顧客を自社のエコシステムにとどまらせる」機会と捉えるだろうと同氏はみる。

  ムーディーズによれば、資産運用会社の市場シェアの一部は既にウエルスフロントなどが提供する「ロボアドバイザー」に浸食されている。中国のアリババ・グループ・ホールディングの関連会社が2013年に開始したマネー・マーケット・ファンド(MMF)は世界最大の規模に成長した。

原題:Tech Firms Are Next Threat to Asset Managers, Moody’s Says (1)(抜粋)

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