東京外国為替市場のドル・円相場は下落し、一時約2週間ぶりの安値を付けた。前日の海外市場でのドル売りの流れが波及したほか、日本株が続落したことも背景。市場関係者は米税制改革の進ちょくやこの日発表される10月の米消費者物価指数(CPI)に注目している。

  ドル・円は15日午後3時20分現在、前日比0.3%安の1ドル=113円17銭。商業決済が集中する五・十日の仲値でドル不足による需要が高まったのを受け、113円50銭までドル高・円安に振れた。しかし、需給要因での買い一巡後は、日経平均株価が下げ幅を拡大したのに伴い、一時113円03銭と10月31日以来の水準まで下落。その後は日経平均が安値圏で推移する中、113円台前半でもみ合った。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部為替市場課の池島俊太郎課長は、ドル・円の下落について「五・十日の仲値でそれほどドルが上がらなかったことや、日本株が再び下げてきたことが売りにつながった」と説明。「前日にドル・円は意外と下げなかったことから、改めてドル売りの流れについていっている印象だ」と指摘した。「ドルインデックスが9月からの上昇トレンドを切れてきており、売り圧力がある」とした上で、ドル・円が10月31日の安値112円96銭を割り込むと「111円台を意識した動きになっていくリスクがある」と述べた。

  NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのディレクター、デービッド・ルー氏(香港在勤)は、「基本的には株価と金利に振らされている展開」とした上で、「米税制改革に足踏み感が出てきていることもあり、ドル・円は重い展開になりそう」と指摘。113円台を割り込んだ場合は、「112円半ばまで下値余地がある」とみている。

  米下院議事運営委員会は15日正午(日本時間16日午前2時)に予定していた共和党の税制法案の審議入りを、14日午後6時半(同15日午前8時半)に前倒しした。税制法案を今週可決させる下院共和党指導部の計画に変更はないとした。

  みずほ証券投資情報部の鈴木健吾チーフFXストラテジストは米税制改革案について、「下院は17日から27日まで休みで、明日採決できないと間に合わない」と指摘。三菱UFJ信託の池島氏も、「10月に米税制改革について楽観的な見方が高まった分、足元の期待のはく落がドルの重しになっている」と述べた。

  10月の米CPIに関しては、食料とエネルギーを除くコア指数の市場予想が前月比0.2%上昇と、9月の0.1%上昇から加速が見込まれている。三菱UFJ信託の池島氏は「コア指数が市場予想を上回ればドル買い戻し、下回れば売りが優勢になるだろう」と予想。みずほ証券の鈴木氏も「コアCPIが前月比0.3%上昇になれば、114円台を試す」とした一方、「米税制改革について上院の票読みや修正内容などもあり、動きづらい」と述べた。

  オーストラリア・ドルは下落。7-9月期の豪賃金指数が前期比0.5%上昇と、市場予想の0.7%上昇を下回ったことが売り材料となった。対ドルでは1豪ドル=0.76ドル台を割り込み、一時0.7%安の0.7576ドルと7月7日以来の水準まで下落した。

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