サムスンの若年層リーダーらがガバナンス問題に取り組む
新たにサムスン電子の共同最高経営責任者(CEO)となる3人は、人工知能(AI)やIoTプロダクトへの事業拡大局面においていち早く技術革新を読み取り迅速に対応するだろう。会長とCEOとの役割分離は、より開かれたコーポレートガバナンス(統治)への世界的な流れを示唆する。

会長とCEOの役割分離でサムスンの企業イメージが向上
李一族の取締役会に対する影響力は強く残ると考えられるものの、会長とCEOの役割分離はサムスンのガバナンスのイメージを向上させるだろう。権五鉉(クォン・オヒョン)CEO兼副会長からCEO職のみを引き継ぐ金奇南(キム・ギナム)氏は新たな部品の開発に向け、エンジニア先導に注力する。最高財務責任者(CFO)から次期会長に昇進した李相勲(イ・サンフン)氏は、事業運営から離れ会社全体のマネジメントを統括することになる。

  ブルームバーグがまとめたデータによれば、S&P500株価指数構成銘柄のうち会長とCEOが同一人物の企業の割合は、2009年は61%だったが16年には51%へ低下している。

会長とCEOの兼任比率は低下傾向

若いリーダーシップで企業文化が変容
3人の共同CEOの平均年齢は57歳と、従業員全体の平均を6歳下回る。これは韓国財閥によく見られる階層的なマネジメントからのシフトの可能性を示す。社内でオープンに議論されれば、大急ぎで交換したバッテリーから再び発火した、16年の「Note 7」のような問題を避けることができよう。

  同社は李在鎔(イ・ジェヨン)氏の下で買収を進め、ハーマンは過去最大規模の買収となった。同氏は、父でありサムスングループ経営者だった李健煕(イ・ゴンヒ)氏が心臓発作で倒れた後、16年に48歳の若さで事実上のトップに就任した。現在は収賄などの罪による判決を不服とし、上訴している。

交代によりCEOの年齢が低下

サムスン後継者への判決は物言う株主の介入を助長する可能性
李在鎔氏の逮捕後は物言う株主によるサムスングループ傘下の企業に対する圧力が強まり、韓国の財閥企業の政治環境は厳しさを増すだろう。そうなれば韓国最大の財閥である同社の組織改革は遅れる可能性がある。あるいはグループ内の取引において、将来的に少数株主に対してより好条件を提示する必要が出てくるかもしれない。15年に問題となった合併案件では、韓国国民年金基金がサムスンの後継者育成計画を支持し、エリオット・アソシエイツの反対にもかかわらず買収を支援した。

関連企業:お互いの株を持ち合う循環出資構造を持つサムスングループの企業。サムスン電子、サムスンC&T、サムスン生命、サムスン火災海上保険など。

李一族による主な論議

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Samsung's Younger Leadership Team Addresses Governance Concerns

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