三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)など邦銀3メガの7-9月期決算が出そろい、純利益の合計は前年同期比1.8%増の7149億円となった。本業のもうけを示す業務純益は2行が同マイナスとなり、各行とも構造改革の必要性を強調した。

  MUFGが14日開示した連結純利益は、前年同期比12%増の3379億円。三井住友フィナンシャルグループは同2.2%増の1787億円だった。みずほフィナンシャルグループは、同12%減の1984億円で3メガの中で唯一減益となった。業務純益は三井住友Fが10%増の2981億円となった半面、MUFGは5.2%減の3517億円、みずほFGは21%減の1573億円にとどまった。

  貸し出しなどによる資金利益は3行合計で前年同期比4.2%増の1兆713億円、3行が強化を図る手数料になどによる収益は同1.9%増の7327億円だった。与信関係の戻入金は、みずほが1089億円、MUFGが232億円だった。

  海通国際証券集団のアナリスト、マイケル・マクダッド氏(東京在勤)は、利益押し上げ要因の主なものは与信関係費用の戻入益と政策保有株などの売却益だったが、MUFGと三井住友Fについては思ったより全体的に良くなっているとコメント。ただし、日銀のマイナス金利が継続している間は「辛抱が必要」との見方を示した。

  4-9月期では、3行とも純利益の通期計画に対する進捗率が5割を超えた。

構造改革

  MUFGの平野信行社長は14日の会見で、「昨年以来、懸念してきた事象が現実のものとなって決算に現れつつある厳しい内容だった」と振り返った上で、「既存の預金貸出を軸に据えた事業構造を転換する必要がある」と強調。コスト構造や組織の見直しを推し進めると述べた。

  MUFGの上期の通期計画に対する進捗率は66%となったが、下期には「既存の資産の見直し」を含めた構造改革費用を計上することを考えているため、通期業績は見直しをしないと述べた。MUFGはフィンテック技術の活用などで今後10年で、9500人相当の業務量削減を目標として掲げている。

  みずほFGの佐藤康博社長も13日の会見で、国際的に見ても日本の銀行は「経費の構造改革がマストだ」として、今年4月に社長がトップを務めるタスクフォースを立ち上げ、個別テーマを徹底的に議論してきたと述べた。採用人数の調整などで、今後10年間で約1万9000人を実数として削減するほか、店舗数は現在の約500店舗から100店舗減らす。タスクフォースの議論内容は来年度の事業計画や再来年度からの中期経営計画に反映させていく。

  三井住友Fの国部毅社長は、「マイナス金利の影響などで引き続き厳しい環境にある」と指摘した上で、非金利収益の増強や業務改革による経費コントロールの徹底などで「最終的には通期で連結業務純利益の前年比増益を実現したい」と述べた。

  三井住友Fは既に生産性の向上や効率化などにより、中期的にコスト削減効果1000億円を目指し、このうち、リテール店舗改革では200億円の削減効果を見込む。また、人員再配置などで2020年までに4000人のスリム化効果を狙う。国部社長は会見で、同社は合併前に700超あった店舗を440店舗にまで削減しており、店舗数そのもは維持する考えを示した上で、支店の事務処理機能を全国で約10カ所のセンターにまとめ、支店面積を全体で約3割削減するなどの方針を示した。

  日本銀行は先月23日に発表した金融システムリポートで、邦銀の収益性は、国際的に見て低さが目立つと指摘した上で、国内金融機関の店舗数や従業員数は、需要対比で過剰となっている可能性があると指摘した。

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