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パウエル氏:米当局のコミュニケーションの欠点認識-次期FRB議長

  • 就任後、金利予測分布図「ドット・プロット」などの改善目指すか
  • 個々の経済統計への過剰反応回避など、これまでにも取り組み
パウエル氏

パウエル氏

Photographer: Olivier Douliery/Bloomberg
パウエル氏
Photographer: Olivier Douliery/Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に指名されたパウエル理事は、現在の米金融当局のコミュニケーション手法に問題があることをよく認識している。

  パウエル氏は昨年11月30日、ブルッキングス研究所などが共同開催したイベントで講演し、当局者の発言のうち投資家が注目しているのは次の連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利決定の手掛かりであり、その他の内容はあまり関心が払われていないと指摘した。

  上院で承認されれば来年2月に議長に就任するパウエル氏は、現行の緩やかな利上げの戦略を継承すると広く予想されている。ただ、FOMC参加者全員の政策金利予想を示す金利予測分布図(ドット・プロット)を中心に、当局によるメッセージ伝達の仕方については改善を目指すことになりそうだ。

Connecting the Dots

ドット・プロットは年内1回、来年3回の追加利上げを示唆

  パウエル氏はワシントンで開かれた同イベントで、「当局のコミュニケーションを改良するのは可能だと確信しており、そうするように努める」と語った。

  金融当局がどれだけ上手に意図を伝えられるかは、その政策の効果の上げ方に直接影響する。当局が市場にサプライズを招けば、投資家は経済にマイナスとなるような形で反応するかもしれない。

  パウエル氏は、年4回公表されるドット・プロットについて欠点があることを認める。ドット(点)で示されるそれぞれの金利予想がどの当局者のものか明示されず、各人の経済見通しとも関連付けられていない。このため、経済の動きにFOMCがどう対応するかという「反応関数を特定するための容易な道筋が存在しない」とパウエル氏は16年2月、ニューヨークで開かれた金融政策フォーラムで指摘した。

  ドット・チャートではFOMCの投票権を持つメンバーと、それ以外の当局者のドットが区分されていないほか、その間の経済見通しの変化に伴って古びた印象を与えるケースもある。

  パウエル氏に大幅改善を図る方法があるとすれば、それは経済と政策の見通しについてFOMCとしてのコンセンサスをまとめるとともに、経済見通しに誤りがあることが分かった場合、どのように対処するかの方途を示唆することだろう。

  米金融当局では実際、5年ほど前にこうした取り組みがあったが、FOMC当局者のさまざまな見解を調整するのは困難だとして断念した経緯がある。

  しかし、当時FRBで特別顧問としてこの問題を扱ったダートマス大学のアンドルー・レビン教授は、「良き議長と副議長の後押しによっても、FOMCメンバー12人(欠員ゼロの場合)の意見をまとめられないというのはばかげた考えだ」と述べ、コンセンサス予想の形成に楽観的だ。

The Fed's Conundrum

  金融当局のコミュニケーションで改善の余地があるとパウエル氏が考えるのは、ドット・プロットだけではない。同氏は金利変更のタイミングについてあまりに明確に話すのを避けようとしてきた。また、同僚の当局者に対し、個々の経済統計に過剰反応しないようにも注意を呼び掛けた。金融政策が場当たり的に策定される印象を与えかねないからだ。さらに、当局者自身のものも含め、全ての経済見通しに不確実性が伴うことを講演の中でもっと強調するよう働き掛けてもいる。

原題:Powell Fears ‘Blah, Blah, Blah’ Is What Investors Hear From Fed(抜粋)

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