13日の東京株式相場は続落。米国景気の先行き不透明感が広がり、原油など国際商品市況の下落も嫌気された。商社や海運株のほか、繊維や鉄鋼、化学など素材株が売られ、相対的に景気敏感セクターが安い。決算が失望された三井不動産など不動産株、倉庫や陸運株の下げも目立った。

  TOPIXの終値は前週末比16.95ポイント(0.9%)安の1783.49、日経平均株価は300円43銭(1.3%)安の2万2380円99銭と両指数ともきょうの安値引け。TOPIXの3日続落は8月21日以来、日経平均の4日続落は同22日以来、ほぼ3カ月ぶりとなった。

  明治安田アセットマネジメントの林秀執行役員は、「日本企業の決算は計画より多少上振れ、順調だった」とした半面、海外投資家を中心に「日本株を持たざるリスクが意識され、先週まで一気にポジション調整が進み、ここまで強く上がったが、さすがに行き過ぎた」と言う。ただし、調整がどこかで入ることは予想できたとし、「足元のスピード調整でようやく通常の上昇ペースに戻る。心配するような下げではない」との見方も示した。

東証内に映る株価ボード(イメージ)
東証内に映る株価ボード(イメージ)
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米国市場で10日に発表された11月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は、97.8と前月の100.7から低下。エコノミスト予想の中央値は100.8だった。米国株のボラティリティー(変動性)の指標であるシカゴ・オプション取引所のボラティリティ指数(VIX)は、7.5%上昇し11.29と約2週間ぶりの高水準となった。

  世界的に株式や債券が売られたのに連れ、10日のニューヨーク原油先物は0.8%安の1バレル=56.74ドルと反落し、ロンドン金属取引所(LME)の銅やニッケルなど金属市況も軟調。

  東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「米消費者マインド指数の結果はサプライズだった。これまで米国は、小売売上高などがあまり良くない中でソフトデータだけが良かったが、そのソフトデータも好転すると思っていたのが悪化した」と指摘。ここ2週間ほど、「クレジット市場が悪化していることも考えると、米国内消費が減速しているリスクが高まった」とみている。

  直近の日本株上昇の主要材料となっていた企業決算の発表も、前週10日で社数ベースのピークを通過。さらに、TOPIXは前週まで9週続伸、2015年2ー3月に記録した連続上昇記録(9週)に2年8カ月ぶりに並んでいたため、目先の買い材料一巡と高値警戒感から売りが出やすい状況でもある。アイザワ証券投資顧問室の三井郁男ファンドマネジャーは、日本株には「テクニカルな短期過熱感に対する自律調整が出ている」と分析。米税制問題の不透明感やサウジアラビアの政情不安定などからVIXが上昇傾向にあり、日本株も「1週間程度は日柄調整に入る可能性がある」と予想した。

  もっとも、株価の下げについて深刻に受け止める向きは少数派のようだ。三井氏は、「日本企業の収益モメンタムの強さや米国株などに比べたバリュエーション面の割安感から調整幅は限定されそう。初めての調整に対し、どの程度の押し目買いが入るかが今回の相場の強さをみる上で重要」としている。

  東証1部33業種は倉庫・運輸、海運、不動産、繊維、証券・商品先物取引、鉄鋼、その他金融、陸運、建設、鉱業など31業種が下落。石油・石炭製品、その他製品の2業種のみ上昇。売買代金上位では上期が減収減益の三井不、今期営業利益計画を下方修正した関西ペイント、10日午後に発表した上期決算について、原料高を受けた炭素繊維の厳しさに野村証券が懸念を示した東レが安い。半面、4ー9月期営業利益が前年同期比46%増だったブイ・テクノロジーが大幅反発。今期の営業利益計画を上方修正した三井金属やダイフクも急騰した。

  • 東証1部の売買高は15億6573万株、売買代金は2兆7963億円、代金は11営業日ぶりに3兆円を下回った
  • 値上がり銘柄数は594、値下がりは1377
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