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【債券週間展望】長期金利は上昇か、ゼロ%接近警戒や需給緩和観測で

  • 長期金利、やはりゼロ%というのが明確に壁としてあった-野村証
  • 20年入札は需要ありそうだが、5年入札はやや心配-岡三証

11月第3週(13日-17日)の債券市場では長期金利の上昇が予想されている。ゼロ%接近で高値警戒感が出ていることに加えて、週内に5年債と20年債の入札が予定されていることで需給緩和への懸念から、売り圧力が掛かりやすいことが背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは7日に0.02%と、9月26日以来の水準まで低下した。その後は2カ月ぶりとなるゼロ%への接近で高値警戒感などから売りが優勢となり、10日には0.035%まで上昇。新発20年債利回りは0.55%と9月以来、新発30年債利回りは0.785%と6月以来、新発40年債利回りは0.945%と4月以来の水準までそれぞれ下げた。

新発10年債利回りの推移

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「10年債利回りは短中期と超長期ゾーンが強い中でも0.02%で下げ止まった。やはりゼロ%というのが明確に壁としてあった」と指摘。「15日までオペの予定がないということもあり、週初の需給環境はあまり良くないため、相場が強くなる理由はない」と言う。

  15日には7ー9月期の国内総生産(GDP)統計が発表される。野村証の中島氏は「デフレーターがプラスに転じるかが注目。仮にプラスになった場合は政府サイドがデフレ脱却に言及する可能性がある」と指摘。「日本銀行の主な意見(10月決定会合)をみてもどちらかというと金利を一段と押し下げる動きは考え難い状況下で、政府と日銀のビューが同じ方向を向いているという見方につながれば、金利上昇方向に働く可能性がある」と見込む。

需給は緩和方向

  財務省は14日に5年利付国債入札を実施する。133回債のリオープン発行で、表面利率は0.1%に据え置かれる見通し。16日には20年利付国債入札が予定されている。162回債のリオープン発行で、表面利率は前回と同じ0.6%となる見込み。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「20年入札は0.6%を背にそれなりの需要はありそうだが、5年入札はやや心配」とみる。

  一方、日銀が発表した11月の国債買い入れ運営方針によると、15日には残存期間1年超5年以下と5年超10年以下、17日には1-5年と10年超のオペが予定されている。

過去の日銀オペ結果はこちらをご覧下さい。

市場関係者の見方

*T

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 来年度の発行減額を想定してスティープ化していたゾーンがフラット化、割安だったものの修正でまだ割高とはいえない
  • 30年、40年の利回り低下はもうちょっと続く可能性、30年で0.7%台半ばもあり得る。20年との利回り差がもう少し縮小しても不思議ではない
  • 長期金利の予想レンジは0.02%~0.06%
      

◎JPモルガン証券の山脇貴史債券為替調査部長

  • 債券市場にとってめぼしい材料が乏しい中で株式のボラティリティーには注意が必要
  • 債券にはサポート材料と意識されやすいだろう。
  • 長期金利の予想レンジは0.03%~0.06%

    
◎野村証券の中島武信クオンツ・アナリスト

  • 20年債入札、金利水準的には厳しいが、カーブ上では先物やスワップで割安感あり買いやすい面もある
  • レラティブバリュー重視の年金や地銀勢のキャッシュつぶしニーズも見込め、幅広い業種の需要が見込め無難に終わる可能性も
  • 長期金利の予想レンジは0.03%~0.05%  

*T

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