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神戸鋼社長:「収益さえ出ていれば」の姿勢払拭へ、不退転の覚悟

更新日時
  • 収益重視や閉鎖性などが原因と分析、データ改ざん究明で報告書
  • コストや納期よりも品質優先、外部調査委員会の報告受けて対策も
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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
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神戸製鋼所は10日、アルミニウム製品などの一連の検査データ改ざん問題を巡る原因と対策に関する社内調査結果を発表した。不正行為が行われた原因について、厳しい経営環境の中での収益重視の経営と閉鎖的な組織風土を含め5つあったと結論付けた。

  不正を招いた背景としてほかに、バランスを欠いた工場運営、不十分な品質管理手続き、契約に定められた仕様を順守する意識の低下、不十分な組織体制を挙げた。それぞれの項目に対して具体化できた対策から早急に対応する方針。さらに、2018年1月1日に本社に品質管理専門の部署を設置するほか、外部人材の活用や海外の統括会社機能の強化なども検討するという。

  同日午後、都内で会見した川崎博也会長兼社長は「収益さえ出ていれば現状を理解しようとしない本社の経営管理の姿勢が現場に伝わった結果として、いろいろな問題や困り事、悩みを抱えていたと認識している。この風土を払拭(ふっしょく)したいと考えており、不退転の覚悟で取り組んでいく」と述べた。

  報告書では、収益貢献を強く求めるあまり自社の工程能力との対比などの審議が不十分なまま仕様書を取り交わすこともあったと考えられると指摘。また、担当者の中には製品が顧客仕様に適合するか否かではなく、顧客からのクレームを受けるかどうかが重要であると判断する者もいたとしている。

  再発防止策として、コストや納期よりも品質を優先する姿勢を役職員が共有することを挙げた。また、経営目標として業績に関する財務を中心とした指標に代え、品質や顧客満足度、技術開発の視点を加えた目標や指標を設定する。データ改ざんの対策としては、データを自動で取り込めるシステムを事業所ごとに構築する。

  川崎社長は「現時点でできる範囲の再発防止策を立案した」と説明。その上で「外部調査委員会の調査報告も踏まえた再発防止策を検討する」との考えを示した。

  今回の社内調査とは別に、神戸鋼は外部の人員による外部調査委員会も設置しており、一連の不正に関する事実関係や原因究明についての調査を年内をめどに終了する予定。関係者や役員の責任についても同委員会の報告を受けて判断する。

「信頼回復へのステップ」

  会見に先立ち川崎社長は経済産業省を訪問し、多田明弘・製造産業局長に同報告書を手渡した。多田局長は最終的には外部調査委員会がまとめる報告を待つ必要があるとしたものの、今回の神戸鋼による原因分析は「信頼回復に向けたステップとして意味がある」と述べた。

  神戸鋼がデータ改ざんの事実を発表したのが10月8日。経産省の多田局長は同12日、データ改ざん製品の安全検証結果の公表とともに、原因分析と対策の立案を1カ月以内をめどに完了し、公表することを求めていた。

  一連の問題は神戸鋼の社内調査で発覚。今年8月から過去1年の出荷製品を自主点検したところ、検査証明書には顧客との契約通りの品質データを記載しながら、実際にはデータと異なる製品を出荷したり、契約で定められた品質測定を実施しないまま出荷したりしていたことが分かった。

  こうしたデータ改ざんはアルミや銅の一部製品のほか、鉄粉や線材などの鉄鋼製品、液晶画面などに使用されるターゲット材などにも広がっており、問題製品の出荷先は525社に及ぶ。10日までに出荷先企業の9割にあたる474社で安全性には問題がないことを確認。残る51社についても安全性の検証を進めている。

(記者会見の内容などを追加します.)
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