習氏の陰の経済ブレーンに重要な役職か-金融監督当局の連携指揮
Bloomberg News-
政治局員に昇格した劉鶴氏、国務院の金融安定発展委率いる可能性
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劉氏は供給サイド改革の陰にいる「ブレーン」-みずほの沈建光氏
中国の習近平国家主席を経済政策面で支える中心人物だが、これまで目立たなかった劉鶴氏が今後スポットライトを浴びることになりそうだ。
劉氏(65)は米ハーバード大学で学んだ経験を持つ実務家で、陰で幾つもの重要な任務をこなして台頭してきた。アナリストは同氏が金融のメルトダウンを防ぐ責務を負うことになりそうだと指摘する。

劉鶴氏
中国は8日、71歳の馬凱副首相が金融監督当局の連携を指揮する国務院の金融安定発展委員会を率いると発表。共産党の慣例に従えば、馬副首相は近く退任が見込まれており、政治局員に昇格したばかりの劉氏が有力な後任候補となっている。
みずほセキュリティーズアジアのアジア担当チーフエコノミスト、沈建光氏(香港在勤)は「劉氏は金融政策や金融監督など金融市場全般だけでなく、関係する財政・改革政策も管轄することになるだろう」と指摘した。
劉氏は過剰生産能力の削減や市場の役割拡大など供給サイドの改革を巡る取り組みの陰にいる「ブレーン」だと沈氏は評価。今後5年にわたる中国経済の青写真を具現化する上で重要人物になると分析した。
共産党機関紙の人民日報は昨年5月、「権威人士」なる人物のコメントを掲載。中国は不良債権や債務急増に伴う他のリスクに立ち向かわなければならないとその人物は主張したが、多くのエコノミストはこれを劉氏の意見とみている。
原題:Xi’s Economic Aide Poised for Key Role in China Debt Cleanup (1)(抜粋)