米エネルギーへの投資意欲示した中国、肝心の合意に拘束力付けず
Dan Murtaugh、Aibing Guo、Ryan Collins-
ウェストバージニア州シェールガスへの約840億ドルなど取引合意
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ほとんどは金銭的なコミットメントや購入契約伴わず
中国はトランプ米大統領の訪問中に米国のエネルギー生産や輸出への大型投資に意欲を示した。だが、そのほとんどは拘束力を持たない取引にとどまった。
北京で9日発表された合意にはウェストバージニア州のシェールガスや化学製品への約840億ドル(約9兆5200億円)、アラスカ州の液化天然ガス(LNG)プロジェクトへの430億ドルなどの投資が含まれる。エタンやタービン、次世代原子炉も発表文に盛り込まれた。
こうした取引が米中の2500億ドル規模に上る合意の中心になったものの、そのほとんどは金銭的なコミットメントや購入契約を伴わなかった。
ベリスク・メープルクロフトのアジア担当アナリスト、ヒューゴ・ブレナン氏は電子メールで、「こうした拘束力を持たない商業上の合意により、トランプ大統領は構造改革を巡る進展の乏しさから中国との貿易関係に関心を向かわせる一方、自身を優れた交渉役として印象付けることができる」と指摘。
天然ガスを巡る中国石油化工集団(SINOPECグループ)とアラスカガスライン開発公社の共同開発合意に関しては、「政治的妥協の結果だが、拘束力を持たない性格上、SINOPECはそのうち静かに取引から撤退する柔軟性を持った」と記した。

原題:China’s Appetite for U.S. Energy Falls Shy of Binding Deals (1)(抜粋)