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【日本株週間展望】もみ合い、堅調な経済指標と短期出尽くし感綱引き

  • 米国で小売売上高など発表、日本のGDPは7四半期連続成長へ
  • 決算発表峠越え売買材料はやや一巡、上昇ピッチ速さに警戒も

11月3週(13ー17日)の日本株は高値圏でもみ合いそうだ。市場の関心がミクロの企業業績から国内外のマクロ経済指標に移り、良好な内容が予想されるため、株高基調は続く。ただし、今期業績の良さはいったん相場に織り込んだほか、上昇ピッチの速さに警戒感もあり、上値は限られる。

  米国では15日に10月の小売売上高や消費者物価(CPI)、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、16日には11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が公表予定。市場予想は、小売売上高が前月比0.1%増(前回1.6%増)、消費者物価が0.1%上昇(0.5%上昇)、ニューヨーク連銀指数は24.9(30.2)、フィラデルフィア連銀指数は24(27.9)など。ハリケーンの影響の反動もあった前回に比べると総じて低下・鈍化する見通しだが、両連銀指数をはじめ高水準を維持できれば、米景気に対する安心感が広がる公算は大きい。

Japan’s Topix Falls, Extending Slump From Sept. 25 Peak To 11%

株価ボード(イメージ)

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  一方、日本では15日に7ー9月期の国内総生産(GDP)が発表される。実質GDPは前期比年率で1.5%増と7四半期連続のプラス成長となる見込み。また、足元の企業決算も良好だ。ゴールドマン・サックス証券によると9日現在、東証1部2・3月期決算企業の第2四半期純利益は市場予想を5%以上上回るポジティブサプライズが優勢。業種別では鉄鋼・非鉄金属、機械、電機・精密機器などが目立つ。通期会社計画を上方修正した企業が321社に対し、下方修正は100社にとどまっている。

  もっとも、国内の7ー9月期決算の発表ピーク日を10日に通過、残すは金融業界の一角のみで、好業績に敏感に反応する投資家の動きは一服する可能性がある。日経平均株価は10月の上昇率がことし最大の8.1%となった後、11月に入りさらに3%上昇と株価の上げピッチは急だ。米税制改革への期待感が後退するような場面では、短期的に戻り売り圧力も強まる見通し。このほか、中国では14日に10月の都市部固定資産投資や鉱工業生産の発表がある。第2週の日経平均は、週間で0.6%高の2万2681円42銭と9週続伸。

  • ≪市場関係者の見方≫

三菱UFJ国際投信・戦略運用部の向吉善秀シニアエコノミスト
  「堅調な展開を予想。米国では復興需要が寄与し、指標が上振れしやすく、小売売上高や景況指数などもしっかりするとみられる。物価が落ち着く中での景気指標の上振れで、株式市場もポジティブに反応するだろう。中国景気も足元は堅調、大きなリスク要因にはならない。国内GDPは当初マイナスに転じるとの見方もあったが、足元は1%台前半からさらに加速しているイメージで、前向きな景気循環が出ているとの判断につながる可能性がある。米税制改革の行方などをきっかけにどこかで株価のスピード調整はあろうが、まだファンダメンタルズの良さに目が向く」

ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄シニアファンドマネジャー
  「ここ1カ月の急上昇が一服し、ボックス圏だろう。上昇一服の要因はスピード調整。この上昇はファンダメンタルズの反映もあったが、買い戻しや持たざるリスクもあった。このペースで上がり続けるものではない。決算は製造業を中心にほぼ出そろい、好業績は一度織り込んだ。海外経済指標はピークアウトするとのコンセンサスに対し、結果は上振れで出てきている。第3週もやや弱くなる予想はあるが、急に失速するとはみていない。日経平均の予想レンジは2万2000ー2万3000円」

しんきんアセットマネジメントの鈴木和仁シニアストラテジスト
  「方向感を探る展開となりそうだ。堅調な国内企業決算を背景に急ピッチで上昇してきた日本株は、決算終盤の手掛かり不足から足元では需給に振り回されている。法人減税の1年先送りが懸念される米税制改革は、減税時期、改革の内容や規模をどう判断するかにより株価の反応が決まる。一方、日本のGDPや米CPIなど堅調な経済統計が出れば、相場の安心材料。海外投資家の買いがどこまで続くか、下がったところで国内勢の押し目買いが入るかなど投資家動向に左右されそうだ。日経平均の予想レンジは2万2000-2万3000円」

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