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香港系オライオン:投資・開発に約300億円、日本の高齢者施設に注力

  • 老人ホームや病院などのほか、都内のシニアタウン開発も検討
  • 大都市で高齢者施設の需要は堅調、土地代が高く新設しづらい状況

香港に拠点を置くオルタナティブ投資会社のオライオン・パートナーズは、約300億円を目指して日本の高齢者施設への投資や開発を進めている。大都市を中心とした地価上昇で施設供給不足が続く中、団塊世代のリタイア層が今後急増することで需要が底堅いとみている。

  オライオン・パートナーズ・ジャパン(港区)の松田潔昌シニア・ディレクターが7日明らかにした。現在のファンドの投資期間・実績は非公表だが、関西の高齢者住宅と老人ホームの複数を数十億円規模で9月に取得した。今後も病院を含むヘルスケア・アセット全般を投資対象とするほか、高齢者の自立から介護までの継続的な住宅、病院・コンビニや飲食店などが集まるシニアタウンの都内での開発も検討中だ。

高齢化率(総人口に占める65歳以上の比率・2017年)

  日本の高齢化率は28%と世界最高で、第2次ベビーブーム(71-74年)世代が65歳以上になる2040年に36%になる見込み。特別養護老人ホーム入所待機は16年4月現在で全国で約30万人に達する。中国で商業施設、韓国ではオフィスビルなどに投資しているオライオンは、こうした日本では高齢者施設に注力する。すでに医療・介護関連施設を三井住友銀行中心の連合に約500億円で14年に売却した実績もある。

  オライオンの松田氏は、日本の高齢者施設の投資魅力について「東京、名古屋、大阪など大都市では土地代が高く老人ホームの提供が進んでいない。増加する高齢者に対して底堅い入居ニーズがある」と指摘した。また高齢者施設は「景気動向に左右されやすいオフィスビルと比べて賃料が安定している」として「老人ホームの運営事業会社の出店意欲は強い」と語る。

  ヘルスケア・アセットを対象とする代表的な投資商品はヘルスケアリートで、世界の市場規模は約11兆5000億円(15年9月末)。最大のアメリカが9割を占め、2位のカナダが2%で、日本は0.3%。海外ではヘルスケア施設の不動産部分を長期保有する投資家、いわゆるヘルスケアリートが数多く存在し、その賃貸収益を投資家に分配しながら市場規模が拡大しているが、日本ではまだ少ない。

  ヘルスケア特化型Jリートは三井住友銀行などが母体のヘルスケア&メディカル投資法人など3銘柄にとどまる。不動産証券化協会によると、Jリートのヘルスケア施設の保有額は9月末で1200億円とJリート全体の0.6%。オライオン・パートナーズは2000年設立でBNBパリバ・キャピタル・パートナーズが約25%出資している。

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