コンテンツにスキップする

博士号ないパウエル氏侮るな-「鵜の目鷹の目」エコノミストに反論も

  • FRBスタッフは金融政策について非公開で議論する傾向があった
  • パウエル氏はエコノミストの見解に異議を唱える姿勢を示した
FRBのパウエル理事

FRBのパウエル理事

Photographer: Olivier Douliery/Bloomberg
FRBのパウエル理事
Photographer: Olivier Douliery/Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル理事は、イエレン氏の後任となる次期議長に指名されるまで数年かけて、ビジネスの世界で学んだ教訓を世界一強力な中央銀行に持ち込んだ。つまり主導権を握らなければ、奪われるという経験則だ。

  支払い決済制度から金融政策に至るあらゆる事柄について、FRBの頭の切れるエコノミストのスタッフらは、自分たちで違いを徹底的に議論した後、理事らがおおむね助言に従うことを期待し、統一的な政策提言を示そうとすることにパウエル氏は気付いた。

  プライベートエクイティ(PE、未公開株)投資の世界で法律専門家の経験を積んだパウエル氏にとって、それは納得し難いやり方だ。そうした業種でディールの提案が生き残るには、トップの意思決定者の前でウの目タカの目の厳しい審査を切り抜けなければならない。潜在的な投資への反論に徹する役割をメンバーに割り当てる会社もあるほどだ。

  このためFRB理事となったパウエル氏は押し返した。同氏に仕えた元FRB当局者の1人によれば、時として自分の目の前で政策理念について議論することを同氏はスタッフに求め、さらに山ほどの学術研究を熟読し、そして質問した。「既製」の政策提言に異議を唱えたにもかかわらず、FRBでの5年余りの在勤期間で、同氏はスタッフの尊敬を得ることに成功した。

グループシンクのわな

  パウエル氏が来年2月にFRB議長に就任する際にそれが物を言うことになりそうだ。博士号を持つエコノミスト300人余りを擁するFRBで、経済学博士号を持たない議長が誕生するのは、1979-87年に在任したポール・ボルカー氏以来となり、新議長がFRBのスタッフに取り込まれるという外部の懸念も既に存在する。

  FRBで17年勤務した経験を持つハーバード大学のカレン・ディナン教授は「スタッフが自分たちの分析が正しいと考える理由の正当性をFRB議長が疑うことは実に重要だ。広く支持され、あまりにも速やかに受け入れられる見解と分析が一致する場合こそ危険だ」と指摘した。

原題:Fed Chair Nominee Powell Is No Ph.D., But No Pushover Either(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE