見出しの数字は素晴らしい。中国で2500億ドル(約28兆円)相当の商談がまとまれば、トランプ米大統領が米国にビジネスや雇用の機会を創出していると示すこともできる。だが実際には、9日公表の約15件の合意はほとんどが拘束力を持たない覚書(MOU)で、具体化には数年を要する可能性がある。

  ロス米商務長官は前日に90億ドル規模の取引を発表したが、そちらも多くは詳細の乏しいMOUで、契約を交わす段階には至っていない。

  米国は9日にアラスカガスライン開発公社と中国石油加工(シノペック)、中国投資(CIC)、中国銀行が関与するアラスカでの液化天然ガス(LNG)プロジェクトを前進させるため共同開発合意を発表する。このプロジェクトは総額で最高430億ドルの投資を伴う。

  ただ、中国当局者1人によると、シノペックの上級幹部はこの取引が9日に発表される予定だと承知していなかった。別の中国当局者はMOUについて、トランプ大統領に対する中国側の親善の印にすぎず、実際に契約に至るには何年もの交渉を経ることになると語った。

11月9日に北京の人民大会堂の外を歩くトランプ大統領と習国家主席
11月9日に北京の人民大会堂の外を歩くトランプ大統領と習国家主席
写真家:Qilai Shen / Bloomberg

  コンサルティング会社APCOワールドワイドの中国担当会長ジェームズ・マクレガー氏は「私には大きな数字になるよう全ての取引を積み上げる昔ながらの訪問のように見える」と述べ、「これは米中が関係を築きつつある状況では普通だったが、中国が世界的なビジネス力を持ち、有害な工業政策を採る今の状況では単純過ぎるようだ。全てはトランプ大統領がディールメークの腕前を見せつけるためのショーにすぎない」と指摘した。

原題:Trump’s $250 Billion China Haul Is Big Number, Little Substance(抜粋)

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