アリババ、「独身の日」に向け大規模な実験-アマゾンの一歩先行くか

  • 中国の零細店60万店を組織化-オンラインと実店舗の融合図る
  • 今年の総取引額は過去最高の2.7兆円となる見込み-シティ

中国アリババ・グループ・ホールディングの馬雲(ジャック・マ)会長は、生鮮食料品店の展開で米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)に先行した。その馬氏が今度は中国の零細店を活用した販売で再びアマゾンに自身の手法を示そうとしている。オンラインではない実店舗の小売り改革をにらんだ過去に例を見ない規模の実験だ。

  アリババは11月11日の「独身の日」に向けた準備を進めている。オンラインショッピングが大きく盛り上がる日で、同商戦の勢いはブラックフライデーやサイバーマンデーをもしのぐ。シティグループは今年の総取引額が過去最高の1580億元(約2兆7100億円)になると予想する。

アリババ「独身の日」の取引額をライブで示す会場(2016年11月11日)

写真家:Qilai Shen / Bloomberg

  電子商取引大手アリババは今年、国内零細店の10%、約60万店の協力を得て、これらの店舗を販売拠点および全国の顧客への配送拠点にする。なじみのある近所の店をインターネットと結び付けるという構想は、中国小売市場を刷新するというアリババの野望実現に向けた新たな取り組みだ。

  ダイワ・セキュリティーズ・グループの香港在勤アナリスト、ジョン・チョイ氏は、アリババのこの小売り戦略から中国が海外の模倣でなく業界を実際にリードしていることが分かると指摘。「『独身の日』は新たな戦略を試し、オンラインとオフラインがどのように連携して動くことができるかを消費者に示す好機となるだろう」と述べた。

  アリババは2009年に「独身の日」のオンライン・バーゲンセールを開始。その後、JDドットコム(京東)や唯品会(ビップショップ・ホールディングス)など多くの競合企業が参加するようになった。馬会長は最近では、エンターテインメントのネット生中継を当日主宰するまでになり、海外の視聴者を意識して俳優ダニエル・クレイグら著名人をゲストに呼んでいる。今週、上海で行われるイベントにはテニスのマリア・シャラポワ、米国のラッパーであるファレル・ウィリアムスらが参加する。

俳優ダニエル・クレイグと馬会長(2015年11月)

フォトグラファー:VCG via Getty Images

  イベントを前に零細店のオーナーは「零售通」と呼ばれるモバイル・アプリを使い始めた。ざっと訳せば、「小売りをつなげる」という意味だ。零細店は売れ筋商品に関する助言を得ながら、このアプリを使って商品を仕入れる。商品はアリババの専用倉庫から出庫し、仲介業者を通さないため、各店舗は利益向上が望める。アリババはこのシステムを無料で提供し、代わりに人々がどういった商品を購入しているかデータを収集する。

原題:Alibaba Prepares a Grand Retail Experiment for Singles’ Day(抜粋)

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