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アルワリード王子と砂漠の会食、逮捕の10日前-夢とも思える時間

サウジアラビアのアルワリード王子が汚職摘発の象徴となる直前、筆者は同王子と砂漠で夕べを共に過ごした。

  逮捕発表の10日前、私たちは砂の上に敷かれた大きな敷物の上でクッションに寄りかかり、星空の下でハイテク株や米国の政治について話した。アラビア風のコーヒーを飲み、戸外に設営された大画面テレビでサッカーの試合を見た。50分ほど散歩をして午後11時ごろ夕食を取った。少なくとも20数種の料理のビュッフェから、私は羊肉とエビの料理、米飯、サラダを選んだ。

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10月26日、砂漠のキャンプでゲストらを迎えるアルワリード王子(写真右)

Photographer: Erik Schatzker/Bloomberg

 
  アルワリード王子が近い将来に起こることについて何かを知っていたとしても、おくびにも出さなかった。シティグループやアップル、21世紀フォックスへの長期投資家として知られる王子はリラックスし楽しそうだった。リヤドのサッカーチーム、アルヒヤルが試合に勝つと喝采した。
  王子が伝統的なベドウィンの式典であるマジュリスを行ったのは真夜中近くだった。部族の男たちが敬意を表し恵みを求めた。白いローブと赤と白のヘッドドレスを付けた男たちが列を作り、1人ずつ王子に近づくと履物を脱ぎ叩頭して王子に紙を渡す。詩を朗詠する者もいる。王子はそれぞれの表に何か書き留め重ねていく。

  傍らには何頭かのラクダがうずくまっている。頭巾を被せられた鷹が2羽、鷹匠につれてこられて止まり木に止まる。儀式が終わると私は王子に感謝し、王子の運転手が運転する車で空港に送り届けられ、午前4時7分発の便でサウジアラビアを去った。

  先週末のある時点で、王子は逮捕され今は行方が知れない。

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砂漠のキャンプで式典を行うアルワリード王子(10月26日)

Erik Schatzker

  アルワリード王子は4人の閣僚と数十人の元閣僚およびビジネスマンと共に拘束された11人の王子の1人だった。サウジ政府の高官はブルームバーグに、アルワリード王子の容疑はマネーロンダリング(資金洗浄)、贈収賄、ゆすりなどだと述べた。検察当局は、容疑者らは裁判にかけられるが弁護士に連絡できると述べた。

  筆者は9年近く前からアルワリード王子を知っており、ブルームバーグテレビジョンで何度かインタビューした。石油以外で富を築き女性の権利について発言し、ルパート・マードック氏やビル・ゲイツ氏と親交がある。伝統的なアラブの衣装でもサビルロー仕立てのスーツでも違和感のない、かつても今も魅力的な人物だ。

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シャツカー記者のインタビューに応じるアルワリード王子(2016年)

Photographer: Mohammad Obaidi/Bloomberg

  社会・経済問題に関するアルワリード王子の立場は、モハンメド・ビン・サルマン皇太子(32)の近代化の取り組みに沿っているように思われた。1年前のリヤドでのインタビューでアルワリード王子は、石油収入への依存を減らし、財政赤字を削減し、海外からの投資を呼び込む皇太子の計画は、「非常に望ましく私は個人的に支持する」と述べていた。

  筆者はアルワリード王子の逮捕をバハマでの休暇中に知った。それ以来、その意味を理解しようと悪戦苦闘している。何か兆候があっただろうか。最後に砂漠で会った時、王子は今読んでいる本を私に見せてくれた。「人間はなぜ眠るのか」という神経科学者の本だった。私は自分も読もうと思っていたと述べ、読み終わったら感想を交換しようと約束した。今となってはその約束が実現するとは思われない。

原題:I Dined With Alwaleed in the Desert Days Before His Arrest(抜粋)

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