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米アマゾンによる米薬局事業モデル刷新を可能にする6つの方法

  • 医薬品は軽量で対面の必要がなくアマゾンにとって完璧-アナリスト
  • アマゾンは薬局事業への進出意欲についてコメントしていない

薬局市場は米アマゾン・ドット・コムにとって新たな進出先の最有力候補の1つだ。

  アマゾンは6月に米ホールフーズ・マーケットを買収し、約8000億ドル(約91兆円)規模の米食料品市場に参入した。米国で4500億ドルの業界規模を持つ医薬品は食料品同様、実店舗で販売されることが多いが、アマゾンは処方薬を求める買い物客がしばしば買っていく洗面用具や化粧品、食器用洗剤などの日用品の販売を既に手掛けており、中間業者が多い薬剤流通網のマージン圧縮も狙える。

Operations Inside An Amazon.com Inc. Fulfillment Center On Cyber Monday

アマゾンの配送センター

Photographer: Michael Nagle

  アマゾンが薬局事業に進出するとの観測がアナリストの間で先月強まって以来、ドラッグストアチェーンのCVSヘルスやウォルグリーン・ブーツ・アライアンスの株価が急落したのも不思議ではない。CVSヘルスは6日、2018年の早い時期に幾つかの都市で即日配達を開始すると発表、明らかな防衛策に出た。アマゾンは薬局事業への進出意欲について今のところコメントしていない。

  SSRヘルスのアナリスト、リチャード・エバンズ氏は最近のリポートで、医薬品は軽量である上に対面で選ぶ必要がなく、アマゾンにとって「完璧な組み合わせだ」と指摘している。

  どうすればアマゾンが米薬局市場を征服できるか、以下に6つの方法を記す。

①配送力を駆使してライバル打倒

  アマゾンには大規模な物流網があり、独自の通販ベースの医薬品配達事業をスタートしてドラッグストアや販売業者をプロセスから排除することも容易にできる。

  医薬品配達は「アマゾン・プライム」の会員価値を高めることにもつながる。年間99ドルを支払うプライム会員はアマゾンの最大の得意客で、同社は顧客離れを防ぐため会員価値を高める方法を常に模索している。同社は14年、ドラッグストアで売られている日用品を含む商品を2時間以内に届ける「プライム・ナウ」を開始した。

②割安なジェネリックの最大の買い手に

  アマゾンが自らの購買力を使えば割安なジェネリック(後発医薬品)を現金で顧客に提供できない訳はない。実現すれば無保険の患者や定額控除の大きい高額医療保険プラン加入者にアピールするだろう。特にジェネリックについては、市場シェア獲得に向け多くの中間マージンを削減・縮小することが可能だ。

③ホールフーズを「ホールドラッグズ」に転換
 
  アマゾンはホールフーズを傘下に収め、通販や即日配達サービスのほか、薬局や受取窓口を設置できる実店舗を手に入れた。アマゾンがホールフーズに加え、地元の独立系薬局と提携してサービスを補完すれば、患者はこうした店舗での医薬品の受け取りや自宅への配達をネットで注文できるようになるとSSRヘルスのエバンズ氏は指摘する。

④薬局事業を買収か

  アマゾンは、最大級の通販システムを既に運営しているエクスプレス・スクリプツ・ホールディングなどの薬剤給付管理業者(PBM)や医薬品販売業者を買収する可能性がある。

  SSRヘルスは、アマゾンがPBMではなく、ディプロマット・ファーマシーなどの特殊医薬品専門薬局を買収し、急拡大しつつあるがんや関節リウマチなどの重病向け高額医薬品市場へのアクセスを獲得しようとするかもしれないとの見方を示している。

⑤独自の新興企業設立も

  アマゾンは既に少なくとも13州で卸売り販売業の許可を得ており、独自の薬局事業を一から立ち上げ、その過程で医薬品供給網を再構築することも可能。

⑥「アレクサ、私のリピトールを補充して」

  アマゾンが処方薬事業に参入する場合、ネットや携帯端末を通じて医薬品を購入する際の顧客体験の改善が明らかな優先事項の1つとなるだろう。医薬品を補充するのにアマゾンの音声認識機能「アレクサ」を使うのはほんの手始めにすぎない。

 
原題:Six Ways Amazon Could Reshape America’s Pharmacy Business Model(抜粋)

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