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米国債市場に04年以来の現象-利回り曲線平たん化の終着点はどこか

  • イールドカーブ平たん化は7日で8営業日連続-約2年で最長
  • リセッションが近い兆しか、それとも海外勢・年金基金の需要反映か
Humans Are Becoming Less Important in the World's Biggest Market
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg
Humans Are Becoming Less Important in the World's Biggest Market
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

ウォール街のストラテジストが、イールドカーブ(利回り曲線)平たん化に引き続き頭を悩ませている。

  この話題に最近挑んだのはナティクシスの米州担当チーフエコノミスト、ジョセフ・ラボーニャ氏で、オーバーナイト・インデックス・スワップ (OIS)でみた米利上げ期待が昨年12月の水準前後まで戻ったにもかかわらず、2年物と10年物の米国債利回りスプレッドが今年これまでに10年ぶりの水準に下がったことに着目した。

  現在のような動きには前例がある。5年物OISの上昇と持続的なイールドカーブ平たん化が同時に起きたのは、最も新しいところでは2004年。米利上げサイクルは同年に始まり、06年半ばに終了した。過去の歴史が導いてくれるなら、景気減速の可能性のシグナルだとするジャナス・ヘンダーソン・グループのビル・グロース氏の見解に信ぴょう性を与えるかもしれない。当時、利上げ局面終了から約1年後に米国は1年半に及ぶリセッション(景気後退)入りしたからだ。
  

Break Point

  平たん化の片側、つまり2年債の利回り動向は容易に説明がつくだろう。中央銀行が金利引き上げ見通しを維持する中、2年債利回りは今年これまでに44ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げて05年以来の大幅上昇を記録、08年以来の高水準にも近い。

米アライアンス・バーンスタイン・ホールディングの債券担当最高投資責任者、ダグラス・ピーブルズ氏が債券利回りと自身の投資戦略について語ります

(出所:Bloomberg)

  より複雑なのは、10年債利回りが今年なぜ狭いレンジ内の動きに終始しているのかだ。成長やインフレ見通しは改善しているはずで、共和党は減税案に取り組み、米失業率は2000年以来の低水準にある。「簡単に言えば、米国債市場は減税の実現はないと思っているか、あったとしてもGDP成長率を押し上げないとみているのだろう」とラボーニャ氏は6日付リポートに記述。「イールドカーブは成長に関して慎重なメッセージを送っている」と続けた。

  米10年債の2年債に対する上乗せ利回りは7日、67bpまで縮小し、07年以来の小ささとなった。グロース氏は先週、あと20ー30bp縮めば景気減速に十分つながるだろうと指摘した。

  だが、そうとも確信できない。例えばドイツ銀行のストラテジストらは3日付リポートで、海外勢や年金基金による根強い長期債買いがタームプレミアムと利回りを抑制しているとし、米国の債券利回りが他の大半の先進国・地域を著しく上回る中では需要が鍵を握り、米国債の値下がりは予見可能な将来にわたって限定的となるだろうと予想。必ずしもリセッションが近いことを意味しないとの見方を示している。

  利回り曲線の平たん化は7日まで8営業日連続と、2年近くで最長。この傾向が最終的にどんな終着点を迎えるのか、世界最大の債券市場で最大級の疑問になっている。

原題:Bond-Market Phenomenon Unseen Since ’04 Explains Curve Conundrum(抜粋)

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