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トヨタ株1年9か月ぶり高値、業績上方修正と自社株買いに一定の評価

  • 野村証は自動車のトップピックに、技術優位性株価に織り込まれずと
  • 増額修正は一過性で市場の期待値は高すぎるとの指摘も
Inside the 2017 Chicago Auto Show
Photographer: Daniel Acker/Bloomberg
Inside the 2017 Chicago Auto Show
Photographer: Daniel Acker/Bloomberg

トヨタ自動車の株価が8日、一時1年9カ月ぶりの日中高値を付けた。通期業績見通しの上方修正が好感されたうえ、新たな自己株取得など株主還元も評価されている。

トヨタ株の推移

トヨタ株の推移

  トヨタ株は一時1.8%高の7312円と、2016年2月以来の高値を付けた。自動車セクターのトップピック推奨に引き上げた野村証券の桾本将隆アナリストは、2017年度下期(10-3月期)から20年3月期にかけて主力車種が燃費や走行性能に優れ、生産コストも低い「TNGAプラットフォーム」に切り替わるため、欧米や中国の主力市場で値引きを抑制しつつ、シェア拡大が可能と指摘。さらに株価はそうした技術優位を反映していないとした。自己株取得についても継続的、積極的な株主還元を高く評価するとした。

  トヨタは7日、18年3月期の営業利益予想を1兆8500億円からアナリストの予想平均値にほぼ並ぶ2兆円に上方修正した。前期比で7.2%減益としていた従来予想から一転、0.3%の増益になり、2期連続の減益は回避する見通し。為替や原価低減などが寄与した。発行済み株式総数の1.5%にあたる4500万株、金額で2500億円を上限に自社株取得も発表した。

  SMBC日興証券の木下壽英アナリストはリポートで、意志ある上方修正と評し、米国を中心に販売環境が厳しい中、円安効果に頼らない上方修正はポジティブに評価すべきだとした。

  一方、トヨタの株価は年初来の上げ幅も限定的だった。TOPIXの19%高に対し、東証1部時価総額トップのトヨタ株は4.9%の上昇にとどまっている。

  一方、メリルリンチ日本証券の二本柳慶アナリストは増額修正は主に為替や品質費用低下の影響で一過性とし、実態は他社同様に米国が特に厳しいと指摘。電気自動車(EV)事業、短期業績のいずれに対しても市場の期待値は高すぎるとし、投資判断「アンダーパフォーム」を継続した。

  トヨタ株は午前の取引で日中高値をつけたあとで急速に値を下げ、9時53分現在は前日比0.5%増の7215円で取引されている。
  
  
  

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