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日銀執行部は退任を、体制転換なくデフレ脱却ない-本田スイス大使

  • 理論を執行部が理解していない、現状を総括しきちんと責任を
  • 総裁就任の申し出があった場合には「命を懸ける」
本田悦朗駐スイス大使

本田悦朗駐スイス大使

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
本田悦朗駐スイス大使
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

安倍晋三首相の経済政策の助言役を務める本田悦朗駐スイス大使は、デフレ脱却には日本銀行の現体制の転換が必要だとし、黒田東彦総裁ら執行部は任期終了をもって退任すべきだとの見解を示した。7日の電話取材で語った。

  本田氏は総裁・副総裁の任期が来春に迫ってもデフレ脱却への成果が出ておらず、日銀執行部の退任は当然だと話した。さらに物価上昇の水準を考えると、なぜ「続投できるのか」と述べ、「レジーム(体制)を再構築しない限り、デフレから完全に脱却することは無理」と主張した。

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本田悦朗氏

Photographer: Tomohiro Ohsumi

  デフレ脱却が達成できない根本的な原因としては「理論を日銀の執行部が理解していない」ことを挙げ、「現状を総括してきちんと責任を取る必要がある」と批判。総裁就任の申し出があった場合は「命を懸ける」と前向きな姿勢を示した。

  黒田総裁は2013年3月の就任直後に、2年で2%の物価上昇を目指して異次元緩和を導入したが道のりは遠く、達成時期の見通しを6回先送りした。9月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比0.7%上昇、生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは0.2%上昇にとどまる。

  19年10月には消費増税が控えている。本田氏は、消費増税前には2%を超える物価上昇率を確保しなければ「非常に危険」との見解を示した。足元の経済環境で増税した場合、日本経済の「息の根が止まるかもしれない」とまで考えており、「危機感を感じている」と話した。

財政支出

  13年1月の政府と日銀の共同声明の全面改定も主張。政府・日銀の協力関係を再確認し、名目国内総生産(GDP)水準目標や賃金上昇目標などの明記も有効だという。デフレ脱却には金融緩和に加えて財政支出が必要と指摘。日銀も財政を金融緩和で支えていく姿勢を示し、「少なくとも日常的に意見交換をして、いかにしてデフレ脱却をするということを真剣に議論しないといけない」という考えだ。

  前内閣官房参与の本田氏は、政府・日銀が2%物価目標を掲げた共同声明原案の議論に関わった。金融緩和に積極的なリフレ派として知られ、ブルームバーグがエコノミストに行った調査では、本田氏を黒田総裁の後任と予想する声もあった。6月の取材では、黒田総裁の後任について、アベノミクスを再構築し、人心一新できる清新な人材がふさわしいとの見方を示していた。

  黒田総裁らの後任は衆院選で勝利した安倍首相が、決めることになる。安倍首相は1日の記者会見で、黒田総裁の手腕を信頼しており、金融政策を任せていると語ったが、後任人事については「全くの白紙」と述べるにとどめた。

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