銀行融資の「長期・固定」化進む、金利上昇で収益悪化リスクも

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  • 日銀によるとマイナス金利後、固定金利貸出は23%から27%に上昇
  • 金利が低すぎ「絶対金利を求め固定融資の傾向」とクレディA小田氏
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

超低金利が続く中、銀行は目先の融資の収益改善に向け「長期・固定金利」での貸し出しを増やしている。その分、預金など調達金利が将来上昇すると、収益が悪化するリスクもある。

  日本銀行が10月に公表した金融システムレポートによると、国内での固定金利貸出の割合は昨年1月のマイナス金利政策導入前の2015年末から、今年6月末までの間に大手行で23%から27%に上昇。固定融資の平均年限も大手行では3.14年から4.03年に伸びている。

  クレディ・アグリコル銀行シンジケーション部長の小田智之氏は、変動金利だと水準があまりに低いとして、銀行は「絶対金利を求めて固定で貸し出している傾向が見られる」と語った。マイナス金利政策に伴い邦銀の融資業務の収益は一段と悪化。国内銀行の新規貸出約定平均金利は15年末の0.927%から今年8月末までに0.663%に低下する一方、主な調達原資の預金の金利は下げ余地がほとんどない。

  JPモルガン証券の西原里江シニアアナリストは、固定金利貸し出しが増えている背景として、「借り手側も金利がいずれ上がる」とみて、固定したいというニーズがあると指摘。融資の固定化・長期化は「金利上昇時には収益悪化リスクがある」と指摘する。BNPパリバ証券の中空麻奈チーフクレジットアナリストは、金利上昇時には、銀行が保有する日本国債に含み損が発生する可能性にも考慮すべきだと言う。

金利上昇の可能性

  ブルームバーグのエコノミスト調査(10月23、24日実施)によると、43人のうち42人が黒田東彦・日銀総裁の任期満了直前の来年3月まで金融政策の現状維持を予想。黒田総裁の任期後(来年4月9日以降)に起こり得る政策変更の内容として金融引き締めは36人、金融緩和は6人となっている。

  JPモルガンの西原氏は、日銀の金融政策変更の可能性について、「長期金利は来春、黒田総裁続投後の金融政策決定会合」「短期金利(マイナス金利)は19年以降」にそれぞれ引き締めの動きがあり得るとみている。

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