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都内億ション販売、株高で過去最多も-アベノミクスで既に3倍

更新日時
  • 東京カンテイ井出氏:株高効果に支えられた購入意欲は今後も続く
  • 4000万-5000万円の価格帯は伸び悩み、実需取得層には高過ぎ
Japan's Government Plans Record Budget To Help Economy Struck By Recession
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
Japan's Government Plans Record Budget To Help Economy Struck By Recession
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

日経平均がバブル崩壊後の戻り高値を更新するなか、株高の資産効果で都内での「億ション」(1億円以上の高額マンション)販売が急増。昨年は安倍晋三政権発足前の3倍以上に膨らんだ。先の総選挙後も超低金利政策の継続が見込まれ、今年の億ション販売はさらに昨年を上回り、過去最高となる勢いだ。

  東日本不動産流通機構によると、1億円以上の中古マンションの都内での成約件数は2016年で413件に達し、第2次安倍政権本格始動前の12年(120件)の3.4倍となった。これは同機構が統計を始めた1990年以降、最高の水準。今年は1-9月だけで367件と、16年を上回るハイペースだ。また日経平均株価は12年末以来、2倍以上に達し、7日には96年6月のバブル崩壊後の戻り高値を上回った。

  株式や不動産などの資産価格が上昇しているのは、安倍政権下で日本銀行が異次元金融緩和に踏み切り、潤沢なマネーが流入しているためだ。10月の総選挙で与党の自民・公明両党が大勝したのを受け、安倍首相は1日の記者会見で、来年4月に任期満了となる日銀の黒田東彦総裁の手腕を信頼していると表明。市場では黒田総裁続投の可能性は高いとして、超低金利政策の継続を見込んでいる。

  不動産調査会社の東京カンテイの上席主任研究員・井出武氏は、「都内の高額マンション市場に対し、13年以降の株高はプラスに働いている」と指摘。株価が上昇傾向にある時には、投資家や資産家は株式の売却益を現金で保有するよりも、有利な資産として立地の良いマンション取得に充てる傾向があると分析している。井出氏は、総選挙で自公連立政権が大勝したため、超低利政策が「変わることは考えにくい」とし、引き続き「住宅は買いやすい」と述べた。

中古マンション、成約件数
日本株相場の上昇続く

  ウィズダムツリー・ジャパンのイェスパー・コール最高経営責任者(CEO)は、都内での不動産投資イベントで「日本は政治安定にプレミアムがある」と述べ、「日本は投資に関し素晴らしい市場だ。安定政権であることが大事だ」と指摘した。

新築も好調

  新築の億ションも今年は増加しており、不動産経済研究所のまとめでは、首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)の発売戸数は1-9月は前年同期比36%増の1290戸。16年(1-12月)の前年比25%減から増加に転じた。

  企画調査部の松田忠司氏は、新築マンションは用地取得から完成まで数年かかるため株価上昇がすぐに発売に影響することはないとしたうえで、「高額の新築マンションプロジェクトの動きがここにきて活発になってきている。高値でも売れるので再び高額物件の供給が増えた」と分析している。首都圏での新築億ションの過去最多は1990年の3079戸だった。

  一方、同機構によると、16年の4000万-5000万円の価格帯の中古マンションの都内での成約件数は12年比では6割増にとどまっている。井出氏は「実需の取得層は価格が高すぎて購入にポジティブにはなりにくい状態が続いている」と述べた。

(第5段落と株価チャートを追加しました.)
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