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三菱商は純利益5000億円の大台に、住友商も最高益へ-商社決算

  • 石炭や鉄鉱石などの市況上昇が追い風に、非資源分野の利益も下支え
  • 通期純利益見通しを据え置いた伊藤忠や丸紅も高い進捗率

総合商社の今期(2018年3月期)の連結業績は最高益の更新が相次ぐなど大きく改善する見通しだ。石炭や鉄鉱石などの市況上昇を主因に資源分野の利益がけん引するほか、各社強化に取り組んでいる非資源分野の利益が下支えする。三菱商事の純利益は商社業界で初となる5000億円の大台乗せを見込み、住友商事も最高益を更新する見通しだ。

  三菱商は6日、今期の純利益見通しを従来予想の4500億円から前期比14%増の5000億円に上方修正すると発表。予想通りなら過去最高だった08年3月期の4713億円を10年ぶりに上回る。オーストラリアの石炭子会社MDPの利益が好調なことに加えて、販売価格の上昇や取扱数量の増えたサケ・マス事業やアジア地域での自動車関連事業などの利益も伸びる。年間配当も1株当たり95円と従来予想の80円(前期実績は80円)から引き上げて過去最高とする。

  会見した増一行最高財務責任者(CFO)は、資源価格の動向に利益が左右されにくい事業分野において「稼ぐ力が着実に強化されている」と評価。その上で「市況の上昇を利益に取り込む弊社の総合力が発揮された」と述べた。市況に左右されにくい事業系と分類する純利益の合計は前期比6.4%増の3480億円、市況系と分類する純利益は同51%増の1460億円を見込む。

  住友商も同日、今期の純利益予想を従来の2300億円から前期比64%増の2800億円に上方修正すると発表した。石炭事業での増益に加え、リース事業や海外発電事業などが堅調に推移。前期まで赤字と低迷していた北米鋼管事業の損益も改善する。
  
  高畑恒一CFOは「過去数年、資源関連で大型減損を計上した後、資産の売却や入れ替えを進め徐々に体質が良くなってきた」と指摘。前回の最高益計上時(12年3月期)と比べて「海外電力関係のインフラ事業や金融、不動産など非資源の利益水準が上がっており、下支えになっている」と説明した。

  資源価格の大幅な下落により、16年3月期には商社5社合計で資源分野を中心に約1兆2300億円もの減損損失の計上を迫られた。商品市況が下落しても一定の利益水準を確保できるよう、商社各社は非資源分野の収益力強化に取り組んでいる。そうした中、鉄鋼原料をはじめとした市況上昇が追い風となり利益を押し上げる。

鉄鋼原料の市況上昇が追い風

三井物も上方修正

  三井物産も純利益見通しを従来予想の3200億円から前期比31%増の4000億円に上方修正した。投資会社を通じて間接的に出資していた鉄鉱石大手、ブラジルのヴァーレへの出資形態を直接出資に変更したことに伴う評価益890億円が寄与するほか、発電事業における一部売却などで機械・インフラ事業の利益も上振れる。

  伊藤忠商事は過去最高となる今期の純利益予想4000億円を据え置いたが、通期見通しに対する4-9月期の進捗(しんちょく)率は6割に達した。ユニー・ファミリーマートホールディングスからの持ち分利益が拡大した食料部門や海外パルプ事業が堅調な住生活部門などが好調に推移している。鉢村剛CFOは「資源に頼らない収益構造への移行を着実に進めている」として「順調にいけば4000億円を超えるレベルは十分にあり得る」と上振れの可能性も示唆する。

  同じく純利益予想を据え置いた丸紅も通期予想に対する進捗率は62%と高い。石炭や銅をはじめとする資源価格が上昇で金属資源の損益が改善したほか、輸送機部門の利益も拡大。矢部延弘CFOは「比較的順調に推移している」と評価した。

  17年4-9月期の連結純利益は各社2桁以上の増益を確保した。

【総合商社5社の業績一覧】

会社名4-9月純利益通期純利益計画進捗率
三菱商2,540(41)5,000(14)51%
伊藤忠2,425(20)4,000(14)61%
三井物2,383(95)4,000(31)60%
住友商1,553(136)2,800(64)55%
丸紅1,046(30)1,700(9.4)62%

(注:単位は億円、カッコ内は前年同期比%、全社国際会計基準)

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