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トランプ大統領の出方うかがう安倍首相-通商問題めぐりさや当ても

  • 貿易不均衡の解消優先する米国、くすぶる為替への不満も-首脳会談
  • 日米経済対話で自動車や農産物で一部合意も貿易協議は平行線
トランプ大統領(左)安倍首相(右)

トランプ大統領(左)安倍首相(右)

Photographer: Franck Robichon/EPA
トランプ大統領(左)安倍首相(右)
Photographer: Franck Robichon/EPA

来日したトランプ米大統領と安倍晋三首相は緊張感が高まる北朝鮮だけでなく、両国間の通商問題についても議論する。

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  米国第一主義のトランプ大統領にとって貿易不均衡の解消は優先課題だ。2016年の日本の対米黒字額は6兆8207億円。対象となり得る業界は自動車から薬品まで幅広く、日本政府は6日開かれる日米首脳会談での米国側の出方をうかがっている。

日本の対米貿易黒字

  明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストは11月2日の電話取材で、1980年代には日本が米国にとって最大の貿易赤字国だったが、現在は中国に次いで2位のため、「米国にとって優先事項は対中貿易赤字だ」と指摘。先進国の両国は同程度の技術力も有するので、貿易収支が現在の水準から「どちらかに大きく傾くということはないと思う」と語った。

  日本はトランプ大統領の注意を貿易不均衡の問題からそらすことに躍起だ。米国が求めている2国間の自由貿易協定(FTA)には消極的で、就任直後に離脱を表明した環太平洋連携協定(TPP)に戻ることを望んでいる。

  ペンス副大統領と麻生太郎副総理兼財務相が主導する日米経済対話は今年2回開かれたが、大きな進展はない。一方、10月の第2回会合では、日本産の柿や米アイダホ州産のジャガイモに対する制限の解除で合意。焦点の自動車をめぐっては、日本が輸入車の騒音や排ガスの審査手続きの簡素化に応じることで決着した。

  大和証券の永井靖敏チーフエコノミストは10月30日の電話取材で、今回の日米首脳会談では、トランプ政権内で日本に対応する経済閣僚や担当者が決まっていないことから、「あまり細かい話は出てこないのではないか、と今の段階では考えている」と語った。

日本の対米輸出

  足元の円安が日本の輸出増を後押しする中、トランプ大統領は日本が通貨安誘導していると批判の矛先を為替政策に向けてきた。今年1月には他国が自国通貨の下落を誘導するのを米国は「ばかみたいに黙って見ている」と苦言を呈した。安倍政権が2012年末に発足後、15年6月には50%近くまで減価し02年以来の低水準となった。
  
  トランプ大統領の円安批判は鳴りを潜めているが、米財務省の為替報告書は、日本を為替操作の「監視対象国」に指定している。

安倍政権下での円安相場

  トランプ大統領の貿易と為替をめぐる強硬姿勢の背景には、国内の製造業再生という大義名分がある。そうした批判に対処するために、日本が提示できるのは米国への直接投資だ。近年増加している投資を通じて米経済に貢献している証拠となるからだ。

  明治安田生命の小玉氏は、投資が増えることは米国にとって良いことだとし、米国経済は堅調で潜在成長率も高いことから、「重要な市場であることは変わらないので、対米投資とは増えていくと思う」と語った。

日本の対米直接投資
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