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ICO大成功の「バンコール」、価格急落-開発者巻き込み論争拡大

  • 6月に約174億円集めたICO後、価格が半分以下に
  • 米コーネル大のシラー准教授らはバンコールの手法を疑問視

新規仮想通貨公開(ICO)の歴史はまだ浅い。ICOが極めてうまくいった仮想通貨の1つ「バンコール」の価格が急落している。イスラエルの新興企業が手掛けるバンコールは6月、数時間のうちに1億5300万ドル(約174億円)を集めた。だがその後、56%値下がり。一転して大きく売られた仮想通貨となった。

Bancor Token's Price Decline

   バンコールICOの前後、仮想通貨コミュニティーでよく知られた開発者らはバンコールの手法に疑問を投げ掛けていた。その1人が米コーネル大学のエミン・ガン・シラー准教授で、バンコールのテクノロジーについて、シンプルなマニュアルでのマーケットメーク(値付け)より効率が劣ると論じていた。顧客らの取引を先回りして不当な利益を得るフロントランニングに対して脆弱(ぜいじゃく)な可能性があると指摘する向きもある。

  資産家でベンチャーキャピタリストのティム・ドレイパー氏の支援を受け、バンコ-ルは新興企業による資金調達額ベースで5番目に大規模なICOを実施。ドレイパー氏は電子メールで「こうしたプロジェクトの全ては開発途上だ」とし、「世界のためになし得ることに誰もが驚くと信じており、2年待ってほしい」とコメントした。

  バンコールのプロトコルは「スマートトークン」と呼ばれる新たなタイプのデジタルコインを誰でも生み出すことを可能にする。バンコールと共に上場を望むあらゆる仮想通貨の価格を自動的に値付けして売買する取引所では、そうした通貨にバンコールのトークンでの引き当てがあり、マーケットメークのための十分な流動性を常に備えることになるとしている。

  バンコ-ル共同創業者のエヤル・ヘルツォグ氏は「これが実際に流動性を保証する」と電話インタビューで語った。

  7月のICOで2億3200万ドルを集めた「テゾス」のアドバイザ-を務めるシラー准教授は値付けという点でバンコールは常に市場を後追いすることになるとし、それが引き当てを損ねるとみている。

  バンコールは同准教授の推測に強く反論、マニュアルでのマーケットメークより効率的だと主張している。テルアビブに本社を置くバンコールのガイ・ベナルツィ最高経営責任者(CEO)は、テゾスを宣伝するためシラー准教授は自説を唱えていると主張している。

原題:Shining Star of Initial Coin Offerings Crashing Back to Earth(抜粋)

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