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【日本株週間展望】バブル後高値更新へ、好業績効果-北朝鮮は要警戒

  • 決算発表はピーク、6日に三菱商、7日にトヨタが予定
  • トランプ米大統領の訪日は為替や北朝鮮情勢などでマイナスの側面も

11月2週(6-10日)の日本株は高値圏で推移し、日経平均株価は1996年6月26日に付けたバブル経済崩壊後の戻り高値2万2666円を更新する可能性がある。企業の上期決算では市場予想を上回る通期計画の上方修正が相次ぎ、最近の株高を裏付けた。ただ、高値警戒感がある上、トランプ米大統領のアジア歴訪にあわせた北朝鮮の挑発行動も懸念され、徐々に上値が重くなりそうだ。

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株価ボード前に集まるサラリーマン

Photographer: Haruyoshi Yamaguchi/ Bloomberg News

  発表が進む日本企業の上期決算が買い安心感を誘っている。みずほ証券の集計によると、東証1部上場企業の41%が10月31日までに17年度上期決算を発表し、営業利益は前年同期比15%増と好調。通期計画は前期比11%増と、現時点のアナリスト予想を上回った。第2週は6日に三菱商事住友商事、7日にトヨタ自動車、8日に日産自動車など主要企業が発表し、10日は260社余りが公表予定だ。日本アジア証券の清水三津雄エクイティ・ストラテジストは、「トヨタが市場予想を上回る18年3月期計画の上方修正をすれば、相場の上昇をけん引するだろう」とみている。現時点の営業利益計画は1兆8500億円で、ブルームバーグの集計したアナリスト22人の予想平均2兆676億円を下回る。

  日経平均は過去1カ月で10%超値上がりした。上昇の原動力となった海外投資家の日本株買いは続いている上、個人投資家を中心とした信用売り残は膨らんでおり、さらなる上昇で買い戻しを迫られれば一段高につながる。東京証券取引所によると、海外投資家は10月4週までに5週連続で買い越し、この間の買越額は2兆4300億円に達した。信用売り残は10月27日申し込み時点で1兆1019億円と、9年ぶりの高水準だった9月3週とほぼ同水準。

日経平均株価の推移

  ただ、海外では欧米ともに主要な経済指標の発表がなく、決算発表も一巡。世界景気の堅調さを確認する材料を欠く中、テクニカル指標での過熱感や高値警戒感が上値を重くしそう。東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオは過熱感を示す120%超だ。また、トランプ米大統領の訪日は相場のマイナス要因との指摘もある。りそな銀行アセットマネジメント部の下出衛チーフストラテジストは、「対米貿易黒字を懸念する大統領の訪日で円安にブレーキがかかる可能性」を指摘。日本アジア証の清水氏も「北朝鮮の挑発行動が懸念され、リスクオフムードが強まる」ことを警戒する。第1週の日経平均は前週末から2.4%上昇し2万2539円。

<<市場関係者の見方>>
UBS証券の青木大樹・日本地域最高投資責任者(CIO)
  「企業業績はグローバルな経済環境へのセンシティビティー(感応度)が強く、世界的に景気が良好な中、アップサイドが期待できることから買い安心感が継続する。良好な経済環境のモメンタムの強さは続き、トヨタ自動車など製造業の業績上振れが出てくると株価のサポート要因になる。トランプ米大統領の来日は、日米2国間での自由貿易協定(FTA)の話が出てくるかどうかに注目。米国が関税引き下げや撤廃で自動車や輸出にとってはプラス、逆に牛肉など食料品や農業関連はマイナスの影響を受けることになる。トランプ大統領のアジア歴訪に合わせ北朝鮮リスクを意識している投資家がいるのも確か。VIXはじわり上昇しているが、これまでの北朝鮮はレッドラインを超えない範囲での挑発でしかなく、大きなリスクにはならないだろう」

日本アジア証券の清水三津雄エクイティ・ストラテジスト
  「世界景気などファンダメンタルズがしっかりし、好業績企業が驚くほど多い。PER15倍程度では割高感なく、日経平均はバブル崩壊後の戻り高値2万2666円を超えてくるだろう。10月の自動車販売が日米とも堅調だったトヨタ自動車は、決算発表で通期計画を上方修正するかどうかがポイント。市場予想より良ければ、相場全体をけん引しよう。一方、トランプ米大統領のアジア歴訪に合わせた北朝鮮の挑発行動が懸念され、リスクオフのムードが強まる可能性もある。決算一巡による出尽くし感から利益確定売りに押される局面もあり得る。日経平均の予想レンジは2万2200ー2万2700円」

りそな銀行アセットマネジメント部の下出衛チーフストラテジスト
  「企業決算、マクロ指標の発表がピークを過ぎ、週後半にやや足踏みするだろう。堅調な米国経済を背景に為替のドル高・円安が続けば、日経平均は週前半に1996年の高値を超える可能性がある。週後半は、好決算を手掛かりに値がさ株が指数を押し上げていく展開は考えにくくなる。高値到達なら達成感が広がり、騰落レシオなどテクニカル指標にも過熱感があるからだ。対米貿易黒字を懸念するトランプ米大統領の訪日で、円安にブレーキがかかる可能性があり、そうなれば日本株のマイナス材料になる。日経平均の予想レンジは2万2000ー2万2700円」

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