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鉄鋼3社:損益が大幅改善、4-9月期決算-鋼材への価格転嫁進む

  • 新日鉄住金と神戸鋼の純利益が9倍超に、JFEHDは黒字転換
  • 輸出スプレッドは従来にない高水準、副原料価格の高騰は利益圧迫

鉄鋼3社の2017年4-9月期の連結決算が1日、出そろった。JFEホールディングスの純損益が黒字に転換したほか、新日鉄住金と神戸製鋼所の純利益はそれぞれ前年同期比9倍超に回復した。原料価格が高騰する中で鋼材販売価格への転嫁を進めたほか、石炭などの在庫評価損益の改善や設備更新に伴う操業コストの削減効果が寄与した。

  同日発表したJFEHDの経常損益は1015億円の黒字(前年同期は101億円の赤字)だった。主力の鉄鋼事業の損益が850億円の黒字(同244億円の赤字)に転換した。会見した岡田伸一副社長は「鋼材価格の改善が一定程度進捗(しんちょく)した」と述べた。一方、亜鉛やマンガンなどの副原料価格の上昇が収益を圧迫しているなどとして「引き続き価格改善に取り組む」と語った。

  新日鉄住金の製鉄事業の経常利益は前年同期比9.2倍の1287億円、神戸鋼も鉄鋼部門の損益が184億円の黒字(前年同期は98億円の赤字)へと転換したほか、建設機械部門の損益も黒字に転換した。

収益環境は追い風に

  鋼材販売価格から鉄鉱石や原料炭価格を差し引いた利ざやに当たるスプレッドは大きく改善している。鋼材の輸出市況の指標となる中国市場の鋼材スプレッドは4月を底に大きく上昇しており、JFEHDの岡田副社長は「従来にない高い水準」と説明する。

  中国では違法操業していた鉄鋼業者に対する政府の取り締まり強化で供給量が絞られる一方、インフラ投資や自動車生産の増加で中国国内の需要は堅調。需給の引き締まりを反映して中国からの鋼材輸出は9月まで14カ月連続で前年同月を下回った。

  新日鉄住金の栄敏治副社長は中国の鉄鋼需要について、先月閉幕した共産党大会後は減少が懸念されていたとした上で「意外に底堅く、一気にしぼむことはない」とみる。

  神戸鋼の梅原尚人副社長は、4-9月期決算では一連の検査データ改ざんによる影響は「僅少」だったと説明。今期(18年3月期)の経常利益予想にはアルミ・銅事業で30億円、その他で70億円の計100億円の減益要因を織り込んだ。鉄鋼事業で注文が他社に流れることなどを想定し、データ改ざんの影響が他部門に波及するとみている。今期の純利益見通しは未定とした。

  新日鉄住金が未定としていた今期純利益見通しを前期比30%増の1700億円としたほか、JFEHDは同2.2倍の1500億円の従来予想を据え置いた。

【鉄鋼3社の業績一覧】

会社名売上高経常利益純利益
新日鉄住金27,451(27%)1,576(5.6倍)  992(9倍)
56,000(21%)3,000(72%)1,700(30%)
JFEHD17,253(15%)1,015(  ---)    870(---)
36,500(10%)2,000(2.4倍)1,500(2.2倍)
神戸鋼 9,071(11%)  458(3.7倍)  393(9.6倍)
18,800(11%)  500( --- )      ---

(注:単位は億円、カッコ内は前年同期比、上段が4-9月期実績、下段が通期予想)

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