世界最大の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)はESG(環境・社会・ガバナンス)の要素に配慮した株式のパッシブ運用を増やす。現在は国内の株式だけとなっている投資対象を世界全体に広げ、長期的な収益の底上げを図る。

  GPIFが1日に公開した資料によると、同法人はESGの3要素のうち環境分野に焦点を絞った指数の募集を開始。環境問題が地球規模の課題であることを踏まえて、世界全体の株式を対象とする。基本ポートフォリオが内外株に分かれているため、国内株と日本を除くグローバル株式の2区分に分けた指数を求める。

  募集期間は来年1月末までで、特定の業種や業態の企業を一律に除外する「ネガティブ・スクリーニング」の手法によらず、環境問題の解決を後押しする考え方に基づく指数を求めている。応募する運用会社は内外株の両方について提案する必要があり、採用される場合も基本的に内外株の両方となる見通し。採用される指数は一つずつとは限らない。

  投資戦略部の塩村賢史企画役によれば、新たな投入資金の規模は未定だが、GPIFが7月からESG投資関連で投資している日本株の1兆円に追加する形になる。これまで検討してきた国内株の環境分野の指数については、要件を満たしていないと判断し、採用を見送った。

  GPIFの運用資産は6月末時点で149.2兆円。年金特別会計を合わせた積立金全体のうち、国内株は約37.5兆円、外株は約36.7兆円に上る。10月には世界銀行グループとESG投資の推進に向けたパートナーシップで合意し、債券の分野でも実際的な投資手法について共同研究を行うと発表した。

  高橋則広理事長は発表資料で、GPIFは市場全体に幅広く分散投資している大規模で長期の投資家として、気候変動を中心とした環境問題を重要なESG課題だと認識していると指摘。既存の環境株式指数では「環境問題に取り組む多様な企業を評価し、市場全体の底上げや持続的な成長を志向するものは限定されている」とし、今回新たな指数を募集する意義を説明した。

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