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ゴーストタウンだったカナダの「コバルト」、EVブームで活気づく

Early morning light hits the town of Cobalt, Ontario, on October 12, 2017.
Early morning light hits the town of Cobalt, Ontario, on October 12, 2017. Photographer: Cole Burston/Bloomberg

カナダ・オンタリオ州トロントの北方約500キロメートルにある人口約1100人の町、コバルトはかつては銀の採掘が主要産業だった。

  100年余り前に町を変容させたブームの名残はそこここに残っている。鉱山の巻き上げやぐらは、かつて食料品店だった書店の屋根から突き出ているように見える。食肉店は不要な骨を店の床の真ん中にある立て坑に捨てていたし、鉱山のケージで肉を冷蔵している。

  最後の銀鉱山が約30年前に閉鎖されたものの、町の名前の由来にもなっている金属、コバルトの需要が世界的に高まり、この町に活気が戻りつつある。もともとこの地域の採掘者らはコバルトに関心はなく、後に主に銀の副産物として採掘されていた。今では、コバルトは米テスラやドイツのフォルクスワーゲン(VW)などの自動車メーカーが製造する電気自動車(EV)の電池に利用され、世界的に需要が拡大していることから状況が一変している。

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コバルトのコールマン地区にある元採掘場

Photographer: Cole Burston/Bloomberg

  コバルトで「コバルトラッシュ」が起こっているからだ。

  「この地域では過去100年より過去1年間の方が航空探査が盛んだ。2年前にはコバルトの埋蔵地を保有していても売ることはできなかった。突然、半年たたないうちに全てが変わった」。地元の採掘者で地質学者のジノ・チタロニ氏はそう語る。

  コンゴ(旧ザイール)での政治的リスクの高まりに備えて、コバルトという町と金属に対する関心が再び高まっている。ナチュラル・リソーシズ・カナダによれば、コンゴは昨年、世界のコバルト生産12万3000トンのうち半分以上を占めた。中国は2位、カナダは3位だが、世界の生産に占める割合はそれぞれ6%程度。ロシアとオーストラリアがそれに続く。コンゴのカントリーリスクに対する懸念が高まっているため、需要が膨らむ中でコンゴ以外の生産国が恩恵を受けそうだ。

  ハンナム・アンド・パートナーズ(ロンドン)の鉱業調査ディレクター、ロジャー・ベル氏は「自動車メーカーがサプライチェーンについて非常に心配しているため、コンゴ以外のコバルト埋蔵国の状況は良い方向に向かっている」と指摘。EVに利用されるコバルトの量は向こう8-15年間に優に倍増すると予想する。「最も控えめにみても、コバルトの供給と需要との差は2025年までに20%に達する可能性がある」との見方を示した。

原題:Ghost Town of Cobalt Gets First Jolt From Tesla’s Electric Cars(抜粋)

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