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FOMC:12月利上げ示唆、FF金利誘導目標を1-1.25%で維持

更新日時
  • 声明はインフレに関する文言を維持、2日に次期FRB議長指名へ
  • 経済活動はハリケーンにかかわらず「着実なペース」で拡大
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Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
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Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米連邦公開市場委員会(FOMC)は10月31日-11月1日の定例会合で、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を1-1.25%のレンジで据え置くと全会一致で決定し、年内あと1回の利上げを引き続き見込んでいることも示唆した。2日にはトランプ大統領が連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長指名を発表する予定。

  声明は最近のデータで「労働市場は引き続き力強さを増し、経済活動はハリケーンに伴う混乱にもかかわらず着実なペースで拡大したことが示唆された」と指摘した。

  9月会合後の声明では、経済活動は「緩やかに」拡大したと言及していた。今回の声明にある「着実」という文言は、2015年1月以降で初めて使用された。

  金融当局者は今年3度目の利上げ見通しを変えていないことを示唆した。インフレに関しては「前年比ベースでのインフレ率は短期的に2%をやや下回る水準にとどまると予想されるが、中期的には委員会の目標である2%程度で安定すると見込んでいる」との文言を維持した。

  バークレイズの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・ゲーペン氏は「経済活動に関する判断の上方修正はどのようなものであれ、インフレ率が時間をかけて2%に上昇するとの当局の確信を強める。当局は12月利上げが基本シナリオであることをあらためて表明しており、それは当社の考えと一致する」と述べた。

  FF金利先物市場は声明発表前に12月の利上げ確率を85%と示唆していた。声明発表後も利上げ確率はほとんど変わっていない。

  イエレンFRB議長は次回12月12-13日の定例会合後に記者会見を開く予定。2015年12月以降、これまで実施された4回の利上げはいずれも、FRB議長の記者会見がある定例会合で決定されてきた。

  12月の利上げを予想するJPモルガン・チェースのチーフ米国エコノミスト、マイケル・フェロリ氏は「最新の経済統計を反映して、声明はわずかな修正に限られた」と述べた。

  トランプ大統領は1日午後、次期FRB議長に誰を指名するか2日午後に発表すると述べ、「大いに感心される人材だ」と付け加えた。

  事情に詳しい関係者3人によれば、大統領はパウエルFRB理事を指名する方向に傾いている。ただ、大統領が「優秀だ」と評価するイエレン現議長ら他の候補も検討している。

  共和党員で財務省高官職を務めた経験があるパウエル氏はイエレン議長の漸進的な利上げ政策を支持している。パウエル氏は2012年のFRB理事就任後、今回の会合を含めて40回余りの会合に出席しているが、反対票を一度も投じたことはない。

  今年に入ってからインフレが減速しており、労働市場が逼迫(ひっぱく)する中で物価上昇が弱過ぎるとの懸念が再燃している。9月の失業率は4.2%と、2001年以来の低水準となった一方、非農業部門雇用者数はハリケーン「ハービー」と「イルマ」が影響し、7年ぶりにマイナスとなった。

Inflation Stalls

  9月の米個人消費支出(PCE)価格指数は食品とエネルギーを除くコアベースで前年比1.3%上昇。過去5年の大半にわたり、2%を下回っている。

  声明は「ハリケーンの影響でガソリン価格が上昇し、9月の全般的なインフレ率を押し上げた。しかしながら、食品とエネルギー以外の項目ではインフレ率は引き続き低調だった」と指摘した。

  インフレ率が予想されたように上昇しないため、物価上昇の加速を示す証拠が出てくるまで追加利上げを見送るべきだとの考えを示唆する金融政策決定当局者もいる。しかし、大半の当局者は今年3度目の利上げが適切であるとする9月の予測を維持している。

  ハリケーンの影響で米経済が軌道から逸脱した兆候はほとんど見られない。声明は「家計支出は緩やかなペースで拡大し、企業の設備投資の伸びはここ数四半期に上向いた」としている。

  7-9月(第3四半期)実質国内総生産(GDP)は前期比年率3%増。アトランタ連銀が1日発表した10-12月(第4四半期)の成長率見通しは4.5%とされている。

  FOMCは「ハリケーンに関連した混乱や再建は今後も短期的に経済活動や雇用、インフレに影響を与えるが、過去の経験から判断すると、これらハリケーンが中期的に米経済の軌道を大きく変える可能性は低いことが示唆される」と判断した。

  10月に開始されたバランスシート正常化プログラムについては「進行している」と指摘した。

  今回の会合には、7月にトランプ大統領に指名され、10月に上院で承認されたクオールズFRB副議長(銀行規制担当)が初めて参加した。

原題:Fed Signals December Hike on Track as Trump Mulls Next Chair (2)(抜粋)

(第3、5、6段落と第14段落以降を追加します.)
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