株式ヘッジには多角的戦術が有利、単に債券では時代遅れーPIMCO

  • 複合的な手法がボラティリティ-調整後のリターン押し上げに寄与
  • 多くのヘッジが失望を招く、人々は何か違うものを探す-バズ氏

株式投資のリスクを債券でヘッジする従来の手法はもはや通用しない可能性がある。米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のアナリストが指摘した。多角的な戦術に基づくより複合的なアプローチが投資家には有利だという。

  世界中で株式相場が過去最高を更新し、米国株がその歴史で2番目に長い強気相場を謳歌(おうか)する中で、安全の確保を求める理由は山ほどある。株式や為替、債券市場のボラティリティーを示す指数が過去最低付近にとどまり、市場が安心しきっていることを示唆している状況においてはなおさらだ。ただ、30年に及ぶ強気相場を経た今、債券はリターンを支える最善の選択肢ではないかもしれない。

  顧客向けアナリティクスのグローバル責任者ジャミル・バズ氏らPIMCOのアナリストはリポートのたたき台となる原稿で、過去20年余りの大半の期間で物価の安定または低下という相当な追い風の下、債券はポートフォリオでこの役割を果たしてきた」と説明。「債券はポートフォリオで重要な役割を果たし続けるだろうが、折に触れ株式に対するポジティブな期待リターンと負の相関という双方の可能性が試されるだろう」と指摘した。ブルームバーグはこの原稿を確認した。

  PIMCOが実施した定量分析によると、多角的にリスクを軽減する戦略を併用した場合、株式に対するヘッジの相関が低下する一方、ポートフォリオのシャープレシオは上昇する。シャープレシオはリスク調整後のリターンを示す。

  近く配布される予定のリポートで取り上げられた仮説例は以下の通り:

戦略の数株式との相関シャープレシオ
1-0.250.2
2-0.340.27
3-0.40.32
4-0.440.35
5-0.470.38
6-0.50.4

            

  バズ氏は電話インタビューで、「ヘッジの需要は非常に高いが、どのようなタイプのヘッジが必要なのかという疑問が生じる」と指摘。「多くのヘッジが失望を招いたため、何か違うものを人々は探している」と語った。

  最も明確な代替戦術は株式または株価指数のプットオプション(売る権利)を買うことだが、これには費用がかかる可能性がある。別の戦術としては、相場全体との連動性が低い「ベータが最も小さい」株式を買い、時価総額加重型の指数を空売りすることだ。複数の商品を売るという戦略もある。

  ジョシュ・デービス、グラハム・レニソン両氏を含むPIMCOのリサーチャーはリポートで警告をはっきり記し、定量分析の限界を認めている。バズ氏は、結局のところこれは理論に基づいたものではなく「実証によるものだ」とし、「ある期間にこのアイデアが機能しないということは十分にあり得る」と語った。
          

  PIMCOによれば、株式の損失をヘッジするための固定利付き資産の役割が損なわれつつある。これは期間が長めの債券を購入する際に投資家が求める上乗せ金利であるタームプレミアムの低さが一因だという。米10年国債利回りは足元で2.36%。2010年までの10年間は平均4.16%だった。

原題:Pimco Quants Find Stocks Need a Better Hedge Than Just Bonds (1)(抜粋)

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