【個別銘柄】ソフバンクや野村H安い、好業績の任天堂やデンソー高い

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  • ソフバンクは傘下スプリントとTモバイル合併暗礁に
  • 任天堂、通期利益計画約4倍に-デンソーの通期利益は市場予想超え
Photographer: Akio Kon/Bloomberg
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

31日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  ソフトバンクグループ(9984):前日比4.6%安の9947円。協議を進めてきた傘下の米携帯電話事業会社スプリントと同業のTモバイルUSとの合併が暗礁に乗り上げたことが明らかになった。Tモバイルの親会社であるドイツテレコムとバリュエーションの違いを巡って折り合いが付かなかった。日本経済新聞は両社の統合中止をドイツテレコムに申し入れる見通しと報道。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の三浦誠一投資ストラテジストは、ソフバンク株は統合への期待先行で買われていため、その材料にクエスチョンマークが付くといったん売ろうという動きになると述べた。

  野村ホールディングス(8604):2.7%安の648.8円。2017年7ー9月期の純利益は前年同期比15%減の519億円だった。日本株相場の堅調で営業部門は好調だったが、ホールセール部門で債券関連の収益悪化が響き5四半期ぶりの減益となった。ゴールドマン・サックス証券は、フィックストインカムの低迷を主因に海外の利益水準の低下やそれに伴う税率上昇もあり同証予想の668億円以下の水準だったと指摘。一方、野村HDは発行済み株式総数の1.8%に当たる7000万株、500億円を上限に自社株を行うことを発表している。

  任天堂(7974):2.2%高の4万3800円。18年3月期の営業利益計画を650億円から前期比4.1倍の1200億円に上方修正した。3月に発売した新型家庭用ゲーム機「スイッチ」と、同機向けゲームソフトの販売好調などが寄与する。1000万台と予想していたスイッチの販売見込みは1400万台に引き上げた。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、スイッチの足元の品薄状況などからすると会社側の保守的な通期計画は再度上振れる公算大と分析。同証では1659億円と試算している。

  デンソー(6902):4%高の6192円。18年3月期の営業利益計画を3530億円から前期比18%増の3900億円に上方修正した。市場予想は3749億円。上期は日本や欧州などで車両生産の増加に伴い売上高が伸び、合理化も利益を押し上げる。

  ソニー(6758):2.4%高の4413円。みずほ証券は、投資判断「買い」を継続、目標株価を5200円から5800円に上げた。ゲームや半導体、音楽などがけん引役となり上期営業利益は2902億円、18年3月通期では5980億円と会社計画の5000億円(前期比73%増)を大幅に超過すると予想。カメラやテレビなど完成品事業も商品力、コスト管理力の大幅改善で株式市場の一般的な評価を覆す実績を上げようとの見方も示した。

  海運株:商船三井(9104)が2.2%高の3450円、日本郵船(9101)が2.9%高の2383円。両社は31日に18年3月期の営業利益計画を上方修正した。ドライバルク船市況が堅調な荷動きに伴い緩やかに回復することなどを見込んでいる。商船三井は180億円から200億円(市場予想149億円)、郵船は215億円から330億円(同220億円)に増額。一方、230億円から130億円に下方修正した川崎汽船(9107)は3.2%安の2952円。
 
  花王(4452):5.4%安の6836円。7-9月期の営業利益は前年同期比0.7%増の504億円だった。3第3四半期累計決算から上期を差し引いてブルームバーグが算出。17年12月期計画2000億円は据え置いた。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、営業利益は同証の事前予想544億円を下回った、日本の化粧品事業はインバウンド売り上げ減少などで7.7%減収となりネガティブと指摘。国内の衣料用洗剤、米州のスキンケアなどの競争も激化しており通期計画達成の確度は不透明な印象とした。

  三菱重工業(7011):3.5%安の4419円。18年3月期の営業利益計画を2300億円から1800億円に下方修正すると30日午後に発表した。市場予想は2351億円。パワーセグメントにおける直近の受注状況を反映した。

  ジェイテクト(6473):7%高の1856円。18年3月期の営業利益計画を680億円から780億円に上方修正すると31日午後に発表。市場予想は756億円。ステアリングやベアリングなどの機械器具部品が中国・アジアを中心に堅調、北米を中心に工作機械も堅調と予想する。

  TDK(6762):5.2%高の8670円。18年3月期の営業利益計画を800億円から850億円に上方修正した。市場予想は827億円。エレクトロニクス市場や主要セット製品の生産見込みなどから搭載される電子部品の需要を見直した。野村証券は、7-9月期でトップライン成長の加速を確認したと評価。目標株価を1万1500円に引き上げ、パワエレ関連のコア銘柄として投資判断「買い」を継続した。

  アルプス電気(6770):4.2%高の3445円。18年3月期の営業利益計画を610億円から前期比52%増の673億円に上方修正した。市場予想は648億円。上期に車載市場向け製品やスマホ向け製品が堅調に推移した。

  日本カーボン(5302):5.1%高の4945円。1-9月期の営業損益は13億7300万円の黒字となった。セグメント別事業の最適化や原価低減などが貢献し、前年同期の9億7200万円の赤字から回復。ゴールドマン・サックス証券は、7-9月営業利益は9億円と同証予想3億円を大きく超過し、会社側の下期計画8億円強を3カ月で達成したと指摘、ファインカーボン事業の好転が目覚ましいと評価した。

  ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674):6.1%安の567円。4-9月期の営業利益は前年同期比17%減の59億8600万円と、従来計画70億円を下回った。パナソニックの国内鉛蓄電池事業を連結対象としたことで売上高は16%伸びたが、電池の主要材料となる鉛価格の高騰が響いた。クレディ・スイス証券は、材料価格上昇に伴う値上げの効果は下期から本格化する計画だが、鉛電池事業は全体的に厳しい環境との見方を示した。

  タダノ(6395):21%高の1715円。4ー9月期の営業利益は前年同期比15%減の85億4800万円と、従来計画の70億円を上回った。四半期で見ると7ー9月期は34%増の57億6500万円。みずほ証券は、四半期ベースでは16年3月期の第2四半期以来、2年ぶりの営業増益で、需要底打ちとコストダウンの進展が確認される内容でポジティブと評価した。

  オークマ(6103):5.7%高の6910円。18年3月期の営業利益計画を160億円から前期比25%増の195億円に上方修正した。工作機械は米国での自動車や航空機関連からの需要が引き続き堅調、国内でも半導体製造装置関連や自動車、建設機械などの需要が好調で売上高が予想を上回る。45円としていた期末配当計画は50円に増額した。

  アンリツ(6754):11%高の1063円。4ー9月期の営業利益は前年同期比34%減の5億7300万円、四半期で見ると4ー6月期の1億6200万円の赤字に対し、7ー9月期は7億3500万円の黒字に転換した。SMBC日興証券は、営業黒字転換や第2四半期単独の計測事業受注の増加転換など業績モメンタムが好転しつつある点は市場でポジティブに評価される可能性があると指摘した。

  ぐるなび(2440):16%安の1461円。4ー9月期の営業利益は前年同期比21%減の28億2400万円だった。人手不足を背景に大口取引先を中心に契約高の減額が高水準となったほか、受注も低調。基盤システムなどの減価償却費など費用増も響いた。18年3月期計画を69億円から45億円に下方修正、前期比では2.4%増益が一転、33%減益になる見通し。みずほ証券は、こうした業績低迷は19年3月期にも響く恐れがあると分析、投資判断を「買い」から「中立」に下げた。

  カルビー(2229):8.4%安の3815円。4-9月期の営業利益は前年同期比25%減の103億円だった。国内のポテト系スナック、シリアル食品や北米の売り上げ減の影響のほか、国内外の稼働低下による原価悪化が響いた。18年3月期の営業利益見通しは300億円から275億円に下方修正した。年間配当予想を4円減額の1株42円に変更。

  トヨタ紡織(3116):6.2%安の2272円。4-9月期の営業利益は前年同期比12%減の319億円だったと31日午後に発表した。国内で競争力強化のための先行投資が膨らみ、北中南米では自動車減産の影響が響いた。

  リョービ(5851):6.7%安の2907円。18年3月期の営業利益計画を136億円から前期比7.8%増の128億円に下方修正すると30日午後に発表。京セラと締結したパワーツール事業に関連する株式譲渡契約の影響額を考慮して売上高予想を下方修正し、上期にダイカスト事業の利益が予想を下回ったことも勘案した。

  黒崎播磨(5352):13%安の4860円。18年3月期の営業利益計画を73億円から前期比7.5%減の71億円に下方修正した。輸入耐火物原料、調達品の価格高騰が継続していることを踏まえた。

  富士紡ホールディングス(3104):10%安の3575円。18年3月期の営業利益計画を45億円から42億円に下方修正した。前期比減益率は34%から38%に拡大する。繊維事業は好調だが、研磨材や化学工業品事業が予想を下回ることが響く。

  スタートトゥデイ(3092):8.6%安の3090円。7-9月期の営業利益は58億5000万円と前年同期から4.9%増えたが、市場予想の70億円に届かなかった。通期営業利益計画は前期比22%増の320億円で据え置き。

  ファンケル(4921):12%高の2982円。4-9月期の営業損益は37億3600万円の黒字(前年同期6億100万円の赤字)に転換した。スキンケアブランドの「アテニア」や「ボウシャ」などが好調に推移し従来計画の15億円を上回った。

  Casa(7196):31日に東証2部に新規株式公開(IPO)し、初値は公開価格2270円に対し2.7%高の2331円だった。08年に経営破綻したリプラスの家賃債務保証事業を継承した会社のMBOを目的に13年に設立。全国に7000弱ある代理店を通じサービスを展開、初回保証料と年間保証料で収益基盤を確保、集金や送金分野ではリコーリースや東京海上日動火災保険と連携する。18年1月期の売上高計画は前期比3.7%増の83億1500万円、営業利益は7.7%増の12億5900万円。終値は2268円。

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