ドル・円は113円台前半、米税制改革期待後退で一時113円割れ

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  • 次期FRB議長人事や米経済指標の発表を控えて小幅な値動き
  • 片岡日銀委員の緩和主張で円売りも、反応は一時的にとどまる
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=113円台前半で推移。米税制改革期待の後退を背景に一時113円台を割り込んだが、週後半に次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長人事や米経済指標の発表を控えて小幅な値動きにとどまった。

  31日午後3時21分現在のドル・円は前日比0.1%安の113円05銭。前日の海外市場の流れを引き継いでドル売りが先行し、朝方に112円98銭と20日以来の安値を付けた後は113円10銭前後でのもみ合いとなった。日本銀行が正午すぎに金融政策決定会合の結果を発表後、片岡剛士審議委員の追加緩和に関する主張を受けて113円28銭までドル高・円安に振れたが、反応は一時的だった。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、米景気がしっかりであれば米金融政策の正常化が続く一方、日本が2%の物価目標にこだわり、現在の緩和政策を続ければ、「やがてドル・円は115円を抜けていく」と予想。ただ、一時的にはこれまでの上昇に対する利益確定の動きも見込まれるほか、来週のトランプ米大統領の来日中は「どんどん円安にしにくい」と話した。

  
  日銀はこの日の会合で金融政策の現状維持を決めたが、片岡審議委員はこれに反対し、「15年物国債金利が0.2%未満で推移するよう長期国債の買い入れを行うことが適当」と主張した。

日銀会合結果に関する記事はこちらをご覧ください

  米国ではきょうから2日間の日程で米連邦公開市場委員会(FOMC)が始まる。金利は据え置きの見込みで、11月2日に発表される予定の次期FRB議長人事に関心が集まっている。ブルームバーグは先週、関係者からの情報として、トランプ大統領がパウエル理事を指名する方向に傾いていると報じた。

  30日の海外市場では、米下院の税制改革案作成者らが法人税率引き下げの段階的な導入を協議しているとの報道やロシア疑惑を巡るトランプ大統領元選対本部長起訴を受けて、米金利が低下。米10年債利回りは31日の時間外取引で2.36%を割り込む場面が見られている。

  上田ハーローの小野直人ストラテジストは、次期FRB議長にパウエル氏が指名されても米国の金利正常化の道のりが大きく変わるとは想定されず、「これを理由にしたドル安の継続性には多少疑問を感じる」と指摘。ただ、「米税制改革が当初の想定よりも緩やかになるようなら、来年の利上げ回数見通しへのインパクトは大きくなり、ドルの調整幅が広がる可能性はある」とみる。

  一方、千葉銀行ニューヨーク支店のマネジャー、中島慎吾氏は、7-9月の米経済成長率が非常に強かったことなどを鑑みると、FOMCで米景気動向に対して楽観的なトーンが出てきてもおかしくなく、週後半に発表される米供給管理協会(ISM)指数や米雇用統計も予想通り堅調となれば、再びドルが買われやすい地合いになると予想している。

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