石炭火力の推進、大半の日本企業の戦略的利益にそぐわない-報告書

  • 半分以上が再生可能エネルギー発電の拡大が望ましい事業モデル展開
  • 再生可能エネ市場での成功は石炭火力からの方向転換に左右される
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

太陽光や風力など再生可能エネルギーによる発電を加速するよりも石炭火力発電を推進する日本政府の姿勢は、多くの日本企業のビジネス上の関心事項や戦略と一致していないとの報告書を、英国の非営利組織インフルエンスマップが発表した。

  海外では石炭火力発電の段階的廃止という潮流があるにもかかわらず、国内で石炭火力発電の容量を増やし、主に東南アジアにおける石炭火力発電に公的資金援助を行っている日本は、主要7カ国(G7)の中でも異色であると、報告書は指摘。国内外で太陽光や風力より石炭を優先する日本特有の政策は日本企業にとって極めて不利に働くとの見方を示している。
 
  日本はかつて太陽電池の技術開発で世界市場をけん引していたが、現在では存在感は小さくなっている。報告書は日本について「発展し続ける再生可能エネルギー市場で成功するのに必要なリチウムイオン電池や部品、原料等の研究開発能力と製造能力を持っている」と説明。「この成功は石炭火力発電計画から太陽光や風力へ方向転換することによって左右される」としている。

  同報告書は日経平均株価指数を構成するトップ100社の事業モデルとエネルギーの調達方法について分析。それによると、53%は、石炭に比べて再生可能エネルギー発電の拡大が望ましい事業モデルを日本と海外の両方で展開している。石炭火力発電を好む事業モデルを展開しているのはほんの少数だという。

  また、エネルギー調達の観点では、61%の企業が石炭よりも再生可能エネルギーを好んでいることが判明したとしている。

  リコーは4月に、事業運営で消費する電力を100%再生可能エネルギー由来のもので賄うことを目標とする「RE100」に国内企業として初めて参加。10月には積水ハウスがリコーに続いてRE100に加盟するなど日本でも温暖化ガス排出削減に積極的な企業が増えている。

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