オアシス:アルプス電のアルパイン買収条件に反対-過小評価とし

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  • アルパインに1株2400円で買収提案するも応答なし-オアシス
  • TOBへの切り替えも提案-パナホームの事例と類似

香港に拠点を置くヘッジファンドのオアシス・マネジメントは30日、アルプス電気によるアルパインの完全子会社化について手法や条件に反対すると発表した。オアシスによると、同ファンドはアルパイン株を9.24%保有するアルプス電に次ぐ大株主。アルプス電の提案は企業価値を過小評価しているとして、ほかの少数株主に同調を呼びかけた。

  アルプス電は今年7月、アルパインを株式交換で完全子会社化すると発表。交換比率はアルパイン1株に対してアルプス電0.68株とした。アルプス電は7月27日現在でアルパイン株の40.43%を保有しており、株式交換は19年1月1日付で実施するとしている。アルパインは、18年12月に臨時株主総会を開催し、承認を得たい考え。

  アルパインの27日終値は2284円。交換比率1対0.68としてアルプス電株価(同3275円)を元に単純計算すると、アルパインの企業価値を2227円とみていることになり、実際の株価を下回る。オアシスはアルパインに書簡を送り、1株当たり2400円での買収を提案したが返事はないという。

  これに対し、オアシス創業者で最高投資責任者(CIO)のセス・フィッシャー氏は30日、「われわれは約15年前からアルパインに投資している。アルプス電の提案している価格は企業価値に比べてあまりに安い」とブルームバーグの取材で表明。ほかの少数株主に対し、株主総会で今のスキームでの合併に賛成しないように呼びかけていくとした。手法について株式公開買い付け(TOB)に切り替えて対価を現金にすべきだと述べた。経営統合そのものは理に適っているとした。

パナホームは成功

  オアシスは昨年12月、パナソニックが子会社パナホームを株式交換で完全子会社化すると発表したことに対し、「著しく過小評価されており、少数株主に不公平だ」として、株式交換比率の見直しなどを求めた。その後、パナソニックは手法を株式公開買い付け(TOB)に変更し、実質的な買収価格を引き上げた。パナホームは今年8月の臨時株主総会でパナソニックによる完全子会社化が承認されたことに伴い、9月27日付で上場廃止となった。

  フィッシャー氏はパナホームと今回のアルパインの例を「非常に似ている」と指摘。パナホームの時はすべての提案が受け入れられたわけではなかったものの「オアシスにとって成功した投資だった。すべての少数株主にとってよりよい結果を勝ち取ることができたことは喜ばしい」と総括した。

  アルプス電広報担当はコメントを控えた。アルパイン担当者に電話でコメントを求めたが不在でつながらなかった。

  フィッシャー氏によると、直近の運用残高は10億ドル(1137億円)超だという。ブルームバーグのデータによると、日本ではアルパインのほか、東芝プラントシステムなどの株式を保有している。過去には任天堂に対してモバイル端末向けのアプリ開発を要求したり、京セラやキヤノンの株式を取得、対話を求めるなどしていた。任天堂はその後DeNAと資本提携し、モバイル端末向けゲームに参入した。

(第5、6段落にパナホームの情報を加えるなど、全体に加筆しました.)
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