日銀会合注目点:片岡氏の緩和提案の有無、物価見通し、ETF

  • 事前調査は全員が金融政策の現状維持を予想
  • 片岡氏に同調者が出る可能性は当面小さい-大和証券の野口氏
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日本銀行は31日、金融政策決定会合を開き、当面の金融政策運営方針を発表する。金融政策は現状維持という見方が大勢。エコノミスト43人を対象に23-24日に実施した調査では、全員が金融政策の現状維持を予想した。

  前回、反対票を投じた片岡剛士審議委員が追加緩和策を提案するかに市場の注目は集まっている。金融緩和に積極的なリフレ派で知られる片岡委員は初めて出席した9月会合で、現緩和策が不十分として反対。消費者物価が2%に向けて上昇率を高めていくとの見通しも「可能性は現時点では低い」と批判した。

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  金融政策決定会合は従来、おおむね正午から午後1時の間に終了する。黒田東彦総裁は午後3時半に記者会見を行う。今会合の注目点は以下の通り。

片岡氏

  大和証券の野口麻衣子シニアエコノミストは片岡委員について「物価安定目標の実現の可能性が低いとの考えを示しながら様子見姿勢に徹することは潔しとせず、具体案を提示する可能性が高そうだ」とみる。ただ、政策委員の大半は物価上昇につながるメカニズムが生きていると判断しており「同調者が出る可能性は当面小さいだろう」と予想した。

  一方、今後の物価情勢次第で岩田規久男副総裁や原田泰審議委員らリフレ派とされる委員が同調するとの見方もある。農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、2018年度になっても物価上昇率が高まらない場合、他のリフレ派委員も片岡氏の提案に同意する可能性があるとしている。

  追加緩和の必要性自体に懐疑的な向きも。伊藤忠経済研究所の武田淳主席研究員は、賃金を含めたインフレ圧力が徐々に高まっており「いずれ追加緩和を提案する合理性は失われる」と分析した。

物価見通し

  日銀は会合後に経済・物価情勢の展望(展望リポート)を公表し、新たな物価見通しを示す。関係者によると、携帯電話関連の値下げなどを背景に、今年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比の見通し(委員の中央値)を7月時点の1.1%上昇から小幅に引き下げる見込み。

  「19年度ごろ」としている物価上昇率の2%達成時期は据え置く。7月展望リポートに続く先送りは回避されるが、黒田総裁が就任直後の13年4月に2年をめどに目標を達成すると宣言してから達成時期先送りは6回に及ぶ。9月のCPI前年比は生鮮食品とエネルギーを除くと0.2%上昇と低迷している。

  第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは27日付のリポートで「物価の基調が上向く気配は見えてこない」と指摘。円安によるコスト転嫁の必要性という物価上昇要因があるにもかかわらず、「企業は値上げに対する慎重姿勢をいまだに崩していないようだ」との見方を示した。

ETF

  株価が上昇する中、年間6兆円ペースで行っている指数連動型投資信託(ETF)についても議論の対象となる。東京株式相場は24日まで、日経平均株価の過去最長となる16まで連騰記録を伸ばした。日経平均は27日、21年ぶりに2万2000円を回復した。日銀は30日、今月初めて従来型のETF709億円を購入した。

  黒田総裁は6月の会見で2%の物価安定目標達成前に購入を減らす可能性に言及。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは25日付リポートで、株価が高値の中で「大規模なETFの購入を続けることが果たして妥当なのかという議論も当然あるだろう」と予想した。

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