【債券週間展望】長期金利に低下圧力、日銀緩和の長期化見通し根強い

  • 黒田総裁続投論が支配的、すぐに政策変わる印象ない-SBI証
  • 日銀物価見通し引き下げへ、金融正常化は遠い-メリル日本証

11月1週(10月30日-11月2日)の債券市場では長期金利が低下すると予想されている。日本銀行の金融政策決定会合では据え置きが見込まれる中、今後も現行の緩和策が長期化するとの見通しから金利低下圧力が掛かりやすいことが背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは、23日に一時0.08%と3日以来の高水準を付けた。米長期金利の上昇や日本株高を背景に売りが優勢となった。その後、日銀の緩和策が当面維持されるとの見方を背景に次第に買いが入り、0.065%まで戻した。27日は0.07%にやや上昇した。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「黒田東彦日銀総裁の続投論が市場の支配的な見方になっている中で政策がすぐに変わるという印象はない。決定会合は波乱がないだろう」と述べた。

  日銀は30、31日の日程で金融政策決定会合を開く。ブルームバーグの調査では政策の現状維持が見込まれている。前回会合で政策据え置きに反対票を投じた片岡剛士審議委員が追加緩和提案をするかが注目されている。

  会合後に公表される経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、2017年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比の見通し(委員の中央値)が7月時点の1.1%上昇から小幅に引き下げられる見込み。

  一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)は31日、11月1日の日程で定例会合を開く。市場予想では政策金利が据え置かれる見通し。その他、米国では10月の雇用統計など各種主要指標の発表も控えている。

  SBI証の道家氏は、「FOMCはサプライズがあるとしたら、12月の利上げを事実上予告するかどうか。そうすると米金利が上昇し、円債の買いにくさにつながる可能性がある」とみる。

10年債入札

  財務省は11月1日に、 10年利付国債の価格競争入札を実施する。348回債のリオープン発行で、表面利率は0.1%に据え置かれる見込み。発行予定額は2兆3000億円程度となる。

過去の10年債入札の結果はこちらをご覧下さい。

  SBI証の道家氏は、10年債入札について「リオープン発行ですぐに日銀の買い入れ対象に入るため、無難に乗り越えるだろう」と見込む。

  一方、日銀が発表した10月の国債買い入れ運営方針によると、30日には残存期間1年超5年以下を対象にしたオペが予定されている。31日には11月のオペ運営方針が発表される。

市場関係者の見方

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◎メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジスト

  • 日銀会合、物価見通しを引き下げるとみられ、金融正常化は遠いとの見方が相場の支えとなりそうだ
  • 目先の注目材料は米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長人事と米税制改革。欧州中央銀行(ECB)の量的緩和縮小は市場予想通りで欧州債には買われ過ぎの反動出る恐れあり、海外では金利上昇圧力が強まっている
  • 長期金利の予想レンジは0.05%~0.08%

  
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 日米の金融政策会合など注目材料続くが日銀の姿勢に変化はなく、下値不安は小さい
  • 円安・株高基調が続き上値は抑えられ、これまでのレンジ内でもみ合い続くだろう
  • 長期金利の予想レンジは0.05%~0.10%    

    
◎三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッド

  • 米国の次期FRB議長人事や税制改革が注目材料。議長が誰になろうと、緩やかな利上げというファイティングポーズは取り続けるとみられ、米金利がそれほど低下することにはならないだろう
  • 欧州もテーパリングに踏み出したことに加え、世界的な景気回復と株高を背景に金利には上昇圧力が掛かりやすい
  • 長期金利の予想レンジは0.05%~0.08%

  
◎SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジスト

  • 日銀会合、展望リポートの17年度CPI下方修正や前回会合で反対票を投じた片岡審議委員の提案が注目されるが想定外のものは出てこないだろう
  • 米金利が上放れしつつある状況で、長期金利が0.05%からゼロ%に向かって低下する感じではない
  • 長期金利の予想レンジは0.05%~0.09%

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